電子入札

 今回は電子入札の概略を紹介します。

  業界以外の方は、「入札」そのものもピンとこないかもしれませんね。 入札とは、工事の請負をする際に、希望者が金額を書いた札をに入れ、一番有利な内容の者(一般的には普通は価格が安い)に仕事を依頼する制度です。

 電子入札とは、パソコンとインターネットを使ってこれを行う仕組みです。

 

1、電子入札ソフトの入ったパソコンを用意して、インターネット環境に接続します。
2、電子証明(=インターネット上で、自分が誰か証明できる仕組み)を導入します。

以上で、準備完了です。

 その後、入札に関わる様々な手続き(入札内容確認、入札資格申請、設計図書入手、入札、落札情報入手)を行います。つまり、入札のために必要な作業がすべて自社のパソコンからできるようにする仕組みなのです。

 例えば、入札の場合ですと・・

 決められた時間に、パソコン上から自社の見積価格を入力して送信すると、発注者側のパソコンでは送信された情報を判定し、その結果が各入札側のパソコンに送信されます。また、どのような人がいくらで入札したか、後で掲示されます。

 この間、自社から一歩も外に出る必要はありません。一人の人間がいくつもの入札に同時・もしくはわずかな時間差で参加することが可能。設計者も責任者も自社内でチェックしていれば、再入札等の判断もスムーズにいくでしょう。

 従来は、発注予定を聞いたり、設計図書をもらったり、入札に出向いたりと、何回も発注者のところに出かけていく必要がありました。入札時間が間近に迫っていて移動が困難な場合は、余分に人員も必要となります。
いっぽうで、入札会場には大勢で行くわけにはいきませんから、再入札や不明点は電話で指示を仰がねばなりません。 電子入札ならば、これらの問題がすべて解決されるのです。

 また、情報がインターネット上に公開されているので、受注のチャンスが増えます。こまめに見ておけば、あちこち行かずとも入札のチャンスを失うことはありません。

 入札の結果も公表しているので、だれがいくらで入札したかはすぐわかります。入札の透明性も確保されるのです。

 電子入札のメリットをまとめると、以下のようになります。

・透明性の確保(対一般市民)
・事務の効率化(対発注者)
・移動経費の削減、受注機会の拡大(対受注者)

 いいことづくめのようですが、まだまだ問題点もあるのです。次回は、そのお話をさせていただきます。

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