携帯電話ソフトの使い方

 前回お話した携帯電話ソフトについて、詳しくお話します。

 ちょうど、携帯メールが出始めた直後(1998年)あたりに、ソフトが発売されました。電話帳に記録するメールアドレスやその他の情報が増え、また、落としたり紛失したりして情報をバックアップする手段が必要な人が増えてきたからでしょう。

 特に建設業では、携帯電話が他業種よりも早くから、しかも頻繁に多く利用されてきました。にもかかわらず、酷な条件下(炎天下、雨天、汗、コンクリート?)でデータは喪失の危機にさらされていると認識していない方が多いようです。また、データ喪失しても、『仕方ない』で済ませてしまう場合が多いようです。

 そこで前回、携帯電話ソフトを紹介しましたが、『実際にどう使うの?』『機能はどんなものがあるの?』といった質問も多いので、今回は、その話をします。

(1)パソコンでのデータ交換方法

  大きくは二通りあります。
 ひとつはパソコンと携帯電話を専用ケーブルで接続する方法です。これは昔からあったのですが、昔はソフトに付属するケーブル以外は使えないという制限がありました。しかし最近は、ソフトの乗換えができるように、他社ケーブルでも使えるソフトが増えてきました。
 もうひとつは、最近登場したもので、携帯電話に内蔵できるメモリカードをパソコンに接続したカードリーダーに差し込んでデータ交換を行う方法です。ケーブルが不要で、データ転送も早いので、最近はこちらが主流になりつつあります。ただ、残念ながら、機種によっては携帯内部にしかデータ保存できないものもあり、その場合はケーブル接続のみとなります。
 お持ちの携帯電話の取扱説明書をお読みになり、保存データがメモリカードに保存可能かどうかを確認してください。

(2)使い方

 あらかじめケーブルもしくはメモリーカードをセットした状態で、ソフトを起動します。その後、ケーブルの場合
は接続先の設定、メモリカードの場合はドライブの設定をします。次に、読み込みたいデータ種類を指定すると、対象ソフトが起動してデータをパソコンに読み込みます。(補足ですが、ほとんどの携帯ソフトは機能別にソフトを分けており、機能に応じてメニューや操作画面が変わることが多いようです。)あとはメニューにしたがって操作すれば、さほど難しくなくデータ交換が行えます。

 では、どのようなデータを取り扱えるのでしょうか。主なものとしては、

 電話帳
 メール
 写真
 ブックマーク
 スケジュール
 待受け画面
 着信メロディ

があります。かなりのものを取り扱えるのですが、携帯電話の種類によっては、取扱えるデータに制限がありますのでご注意ください。(ドコモの携帯は比較的どれでも使えるのですが、auとボーダフォンは制限が多くあります。)

 『俺は電話帳があれば十分だ』という方も多いでしょうが、今後、IT化が進むにつれてメールのやり取りや写真撮影も増えてくると思います。こういうデータがやりとりできるということだけでも知っておいて損はないでしょう。

(3)利用方法

 まず第一には、データのバックアップです。特に機種変更時には、移せるデータに制限があることが多いので、あらかじめソフトでデータをパソコンに保存しておき、新機種にデータを戻します。この使い方は、大変重宝します。

 第二に、パソコンで作成したデータを携帯に送ることです。住所録やブックマークなど、パソコンで作られたファイルを簡単な方法で携帯電話に転送できます。電話番号や住所メールアドレスなど、携帯で打ち込むのは手間だと思っている方は、ぜひこの方法をお試しください。
 他にも、待受け画面に家族写真を入れたり、好きな曲を着信メロディにする方法もあります。(これは万人にお勧めするものではありませんが。)

 第三に、携帯電話にある顧客情報を統合できることです。これは、個人情報保護法の観点からすると注意が必要ですが、とても有効です。なぜなら、現場の人間は事務所にいることが稀で、固定電話よりも携帯電話にかかってくるケースが多いですね。携帯電話は、かかってきた電話番号を簡単に電話帳登録できますから、かなりの顧客情報となっているはずです。担当者との信頼ベースでの連絡先(自宅・私物携帯)などは適切でありませんが、代表ではない直通電話・会社用携帯電話の番号などは、可能な限り関係者で共有すると、緊急時の対応等に役立ちます。固定の得意先はあるが、自社の担当者がよくかわる場合などには、この利用方法を検討してみてください。

 どれも、バックアップをとることから始まります。
 貴重なデータを失って後悔しないためにも、ぜひ導入をお勧めします。