現場で役立つエクセル操作(その6)

 今回は、参照と演算子についてです。難しい言葉だという印象を持たれるでしょう。意味はそれほど難しくありませんが、使いこなすのが意外と難しいというのがこの参照と演算子なのです。

 

 参照は、あるセルの内容を見に行くという意味です。具体的に言うと、A3のセルにA1のセルの値を入れたければ、
 =A1
とすればいいということです。エクセルで式を入力した経験がある人ならば、(参照という言葉は知らなくても)使っていることです。このセルの内容をコピーしてA4に貼り付けると、
 =A2
と なります。A1であったものがA2へと、不思議なことにセルの内容が書き換わっていますが、これが相対参照といわれるものです。つまり、A3のセルに入っ ている式は「2個上のセルの内容を見に行く」という意味になっていたのです。ですから、A4に式をコピーすると2個上はA2というわけなのです。相対参照 とは、基準からの離れが常に一定という参照のことです。だから、上の式をD50に貼るとD48のセルの内容を見に行きます。ついでにいうとA2に貼るとエラーになります。(A0は存在しないため)

 では、常にA1のセルの値を入れるには、どうするか。それには、式をこう変えます。
 =$A$1
これが絶対参照とよばれるものです。$マークを入力すると固定できます。実際には、ファンクションキーのF4を押と同様のことができます。これをコピーして他のセルに貼り付けると、どこでも$A$1になるのが確認できるはずです。
 たとえば、大きな表を作成するのに、ある場所の値(合計値や係数)を参照したいことがありますが、相対参照で入力するとコピーの際にいちいち修正しなくてはいけません。あらかじめ表のイメージをしっかり作っておき、絶対参照を使っておくとコピーも楽にできるのです。

 ちなみに、ある行を参照したい場合は=A$1とします。列の場合は$A1です。F4を繰り返し押すと、
 A1 → $A$1 → A$1 → $A1 → A1
と変わります。このような参照を複合参照と呼びます。作成するのが大きな表であるほど効果を発揮します。

 もうひとつの演算子も、多くの人が自然に使っているものです。+?*/などが演算子で、これらは二つのセルから新しい結果を出すための記号ですね。演算子は上に挙げたものだけではありません。

 算術演算子 +(加算)?(減算)*(乗算)/(除算)
       %(百分率)^(べき算)
 参照演算子 ,(離れた範囲):(囲まれた範囲) (重なる範囲)
 比較演算子 =(左辺と右辺が等しい)
       >(左辺が右辺よりも大きい)
       <(左辺が右辺よりも小さい)
       >=(左辺が右辺以上である)
       <=(左辺が右辺以下である)
       <>(左辺と右辺が等しくない)
 文字列演算子 &(文字の足し算)
 
 いろいろな演算子があることをご理解いただけたでしょうか。算術演算子と比較演算子の一部をご存知の方が大半でしょう。参照演算子は知らないうちに使っているかもしれませんね。合計の関数、SUMを使う場合にA1,A2、B1、B2を合計するならSUM(A1:B2)で表しているでしょうが、この:が演算子です。最後の重なる範囲は実は半角スペースです。これはよく間違いで使われる演算子なのですが、ちゃんと機能するのです。例えば
 SUM(A2:C2 B1:B3)
と入れると重なるB2のセルの値が出ます。

 文字列演算子も意外と使えるものです。A列の苗字とB列の名前を合わせてC列の氏名の作りたいときは、

 A1&B1
と入力します。苗字と名前の間に空白を入れたい場合は
 A1&” ”&B1
とします。

 参照と演算子は、本来、エクセルの勉強では最初のほうでやるべきことですが、実際にはある程度使っていないと利用方法も思いつきません。参考にしていただけたでしょうか。 

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