オフィス2007と旧バージョン(2003、XP、2000)の共存

 4月になり新入社員が入ってきたり、転勤、途中入社でパソコンを新調するケースが多いことと思います。そこで問題になるのが、マイクロソフトオフィス(以下オフィス)のバージョンです。

 一部のパソコンでは、まだWindowsXPが導入されたものを見かけますが、大半はWindowsVistaです。そこに入っているオフィスのバージョンは2007です。2、3年前なら、WindowsXPとOffice2003、それよりさらに2年前だと、WindowsXPとOfficeXPです。もしかするとOffice2000を使っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

 実は、オフィス2007よりファイル形式が変わりました。それまでの独自形式から、XML形式に変わったのです。また、拡張子も今までの.xlsや.docから.xlsxや.docxに変わりました。基本的にOffice97?2003まで、実に10年近くファイル形式は不変でしたから、バージョンアップに伴う苦労はさほどありませんでした。(実はマクロの互換性は低く、その点の問題はありましたが。)
 今回はファイル形式が変わったので、で普通に使っている人にも大きな問題が発生します。

 

ファイル形式が変わると、基本的に古いバージョンのオフィスで新しい形式のファイルは開けません。エクセルで作ったのに開けないとのトラブル相談が増えているのは、そのためです。ましてやエクスプローラーのファイルオプションで「拡張子の非表示」を選んでいた人は、ますます悩むことになります。(初心者の方はこのケースで理由がわからないことが多い。)
 マイクロソフトは、この点をもっとしっかり宣伝すべきだと思うのですが、買い控えを恐れてかあまり行っていないようです。

 とはいえ、いまさら旧バージョンに引き返すことはできません。また、すべてを新しいバージョンにするには費用と時間がかかりすぎます。そこで、旧バージョンと新バージョンを混在させた状態での対処方法をお話していきます。
 
1.ファイル形式の異なることの周知徹底

 まず、2007形式は旧バージョン(2003,XP,2000)の標準状態では開けないことを周知徹底しましょう。「うちは2003までしかないから大丈夫」といっても、得意先や関連企業が2007を導入することもあるでしょう。昨今の状況から、社の内外を問わず、2007形式を受ける可能性はあると言えます。

2.旧バージョンでの保存形式を依頼

 社内がオフィス2007である場合は、必ず「97-2003文書(doc)」もしくは「Excel 97-2003ブック(*.xls)」形式で保存することとしましょう。社外に対しても、なるべくこの形式になるように依頼します。2007の新機能は使えなくなりますが、情報共有という点では必須です。
 標準の保存形式は「オプション」ダイアログボックスの「保存」を開き、「ファイルの保存形式」で設定できます。毎回保存形式を選ぶのが煩わしいとお思いの方は、そこを設定しておくと便利です。

3.閲覧ソフトを導入

 さて、得意先や顧客など保存形式依頼が難しい相手にはどう対処すればよいでしょうか。もし、その情報が閲覧や印刷を主としたものならば、閲覧ソフト導入をお勧めします。
 導入に際しては、1回のダウンロードとインストールでは完了しませんので、下記のファイルを順番にダウンロードしてインストールしてください。エクセルとワードは、2003用の閲覧ソフトに互換機能パックを導入することにより、新しい形式のファイルが見れるようになります。エクセルだけでいいという場合はAとCを、ワードだけである場合はBとCをダウンロードしてください。
 完了すれば、新しい形式のファイルを閲覧することが出来ます。これらは、エクセルやワードが入っていないパソコンでも可能ですので、ぜひ全社のパソコンに適用することをお勧めします。

A.Excel Viewer 2003 Service Pack 3 (SP3)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?familyid=50A22D11-7CC6-4C3A-B3EC-A9EA4E39E28E&displaylang=ja

B.Word Viewer
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=3657ce88-7cfa-457a-9aec-f4f827f20cac&DisplayLang=ja

C.Word/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パック
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=941b3470-3ae9-4aee-8f43-c6bb74cd1466&DisplayLang=ja

D.Microsoft Office PowerPoint Viewer 2007 Service Pack 1
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=e985ed98-5003-4dc1-88ec-3e151e4dc790&DisplayLang=ja

4.新形式のファイルを旧バージョンで編集

 前述のCを導入すると、オフィス2003やオフィスXPで2007形式のファイルが編集できるようになります。ただし、MicrosoftUpdateで優先度の高い更新プログラムをすべてインストールしないとうまく動きません。そのため、日ごろUpdateをしていない方はとても時間が掛かります。
 また、XPの場合、インストールCDを要求されるケースもありますので、しっかりした準備なしにはじめると困ることがあります。ご注意ください。
 UpdateとCの導入が無事に済めば編集が可能になります。ただし、2007
の新機能で作った部分はなくなっていますので、イメージを確認したい方は3.での閲覧ソフト導入をお勧めします。

 これから先、確実に2007形式が増えていくはずです。早め早めに対策を準備しておきましょう。