業務改善の探し方(その2)

 業務改善すべき箇所を探す方法についての2回目です。業務改善の探すときに、今まで当たり前だと思っていたことが本当に当たり前なのかと考えることが大切です。「習うより慣れろ」という言葉がありますが、業務改善ではこれは間違いです。習えるような形になっていないものは「あやしい」と思いましょう。番号は前号からの続きにしています。

 今回お話しする改善は基本的に他部署の関係を無視してはできません。自部署の業務がどこからきてどこに流れていくのかを明確にして臨む必要があります。逆に明確にすることが業務改善の鍵となるのです。

5.一緒に出来る業務を探す(業務の統合化)

 ほぼ同時期に処理する業務だったり、セットで行うべき業務なのに流れや帳票がバラバラなものはありませんか?また、昔からの流れで本来ひとつにできるものを別々の部署でおこなっていませんか?

 携帯電話は昔高価な自動車電話だったため、未だ、資産管理の部署が管理書類を作成し、実業務(購入、支払)は事務部署が行っているなんてのは典型的な統合対象です。

 このような業務はまとめてしましましょう。部署をまたがるものは調整が難しいかもしれませんが、そこは社長方針の錦の御旗のもと切り抜けるしかありません。世の中に変化があると業務にも変化があります。この当たり前のことを忘れないでください。

 また、簡素化でもお話しましたが、何回も同じことを繰り返し書かせる帳票も統合しましょう。帳票を統合することで業務も統合させることができます。例えば現場番号、社員番号だけ記入すれば、その他の情報は記入せずともいいような仕組みづくりをすれば、その分、記入項目も減るし、チェックも楽になります。よくある例として、番号だけでなく名前を書いてもらったほうが確認しやすいとか連絡のときに楽だとかいう理由で項目を追加していることがあります。しかし、その名前がなくても業務に支障がなければ、なくすべきです。連絡は別の方法で参照できればいいはずです。帳票の本来の目的に必要な項目以外はなくす工夫をしましょう。

6.無計画に行われている業務を探す(業務計画策定)

 時期に視点をもって探してみましょう。なんとなくやる時期を決めている業務はありませんか?業務は入口(依頼者)と出口(受取者)があり、内容によっては効率的に行える時期があります。計画的に時期設定をして、情報の流れがとてもスムーズにしましょう。

 時期を見る視点は、月や日単位だけではありません。午前・午後もっと細かく見ると、始業直後、昼休み前までといった視点で見直しましょう。例えば、午前中に自部署が処理すれば、その日で他部署の業務も完了するとか、他業務より優先して処理することで会社全体の動きをスムーズにすることができる業務もあるはずです。大切なのは前後にどんな業務があって、他部署も含めてどのような制限があるかを知ることです。そうしないと自部署内だけの視点で無計画に業務を行うことになるのです。

7.時期が集中している業務をさがす(業務の平準化)

 6.とは逆に月末、月初めなどある時期に計画的に集中して処理している業務に注目し本当にそのときにしかできないのかを考えましょう。

 業務によっては連動的に処理したほうがいいものもあるでしょうが、なんとなく月初めに出てきているのでといったものは提出時期そのものをずらすことを検討してもいいと思います。

 「時期をずらすだけで業務改善といえるの」と思うかもしれませんが、ピーク時の業務量にあわせて人員配置をしているケースがあります。業務の平準化を図って、業務量の波を減らし、社員の負担感を減らすことも業務改善の一環です。

8.分担が偏っている業務を探す(業務分担の見直し)

 他部署との関係を明確にすると業務が偏ってることが見えてくる場合があります。また、偏っていなくても、業務の区切り位置を見直したほうがいい場合もあります。

 業務だけでなく人員も含めた分担変更もあるかもしれませんので、部分最適に陥らないように経営幹部が指揮を執る場面が出てくると思います。よくISOで業務分掌をまとめたものを見ますが、各部署単位の部分最適であるものも少なくありません。こういった制度導入時に見直すのもいいきっかけだと思います。

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