議事録のとり方

 前回のメモのとり方に続いて、新入社員向け第2弾です。今回は議事録のとり方をお話しします。昼の打ち合わせや発注者との会議も最初は先輩がとって、新入社員は聞くだけかもしれません。でも、その時に練習を怠るといざ自分の番のときにはうまくできません。いつでも自分がとれるように書記担当ではなくてもとるように心がけましょう。では、いくつかのポイントをお話しします。

1.事前準備

(1) 書きやすいシートを準備する。
 基本的なことですが、会議日時や場所、出席者、主題、配布資料名を書く欄があり、内容と備考が分かれているようなシートを準備しましょう。

(2) 議題をあらかじめ書き出す。
 ブレーンストーミングのような会議には向きませんが一般的な議事次第があるようなものであれば、メモすべきことを忘れずにすみます。パソコンベースであれば、改行でいくらでも広げられるのですが紙ベースであれば、多少贅沢でも1ページ1議題ぐらいでスペースを十分に取るか、別に議題の一覧を準備しておくといいと思います。

(3) 議事録作成時間を確保する
 忘れてはいけないのは会議の時間以外にまとめる時間を業務の中でとれるよう事前にスケジュール調整するということです。会議が終わっても書記はそれからが勝負です。慣れるまでは会議時間と同じ時間ぐらいは確保することをお勧めします。これを忘れてずるずる作業を遅らせるといろんな点で苦労します。

2.会議中

(4) 主語・述語を意識する
 誰が発言したかが重要な場合があります。主語として書かなくても文章の後ろに発言者名を記載するよう心がけましょう。紙の記録で清書をするのであればMのように略語で表現してもいいですし、パソコンで書くのであれば辞書機能で登録しておくのも手です。述語は断定なのか疑問なのか質問なのかがわかるようにしましょう。?や!などのマークも有効だと思います。

(5) 箇条書きと番号付けをする
 記録だからと言って、発言全部を書くのは意味がありません。簡潔に書けるよう、適当に箇条書きに分割しましょう。また、それが並列的な内容であれば番号を振ることで関連性をわかりやすくするのもポイントです。

(6) ホワイトボードや黒板は写真で記録する
 会議の中でどうしてもその場で図表を書く必要があります。それらを転記するのは無駄です。デジタルカメラでぱちりととりましょう。最近は印刷できたり、画像として転送できるホワイトボードもあります。会議の頻度が多いのであれば導入を検討してもらいましょう。

3.会議終了後

(7) 早期配布を心がける。
 人間は忘れる動物です。1日もすると「言った言わない」が出てきます。重要な議決事項であればあるほど、早めに出しましょう。一通りのことが書かれていれば、修正はあとで行ってもいいです。(もちろん、発注者用などは確認後でもいいですが・・・)関係者からの修正意見が上がる時間は意外と短いです。(みなさん忘れて
いますからね)その日がベストですが、遅くとも翌2日以内に配布できるようがんばりましょう。

(8) 決定事項、次回課題を最初に書く
 みられる人によりけりですが、議事録の全部を読まない人が少なくありません。関係者以外の方は特にそうです。その人たちのためにもその会議で決まった決定事項と課題は最初に枠で囲む等目立つ形にして表現しましょう。興味がある人はその中身を読んでくれますしそうでない人には時間の節約になります。また、決定事項は誰がいつまでに何をどのようにするのかといった5W1Hの要素に留意して書きましょう。特に「誰が」「いつ」を書かないと結局「誰も」「いつまでも」始まらない決定事項になるので注意してください。

(9) 読み手を意識して流れを作る
 会議といっても報告会的なものであればあらかじめ決まった流れの通りに書いても問題はありません。しかし、そうでないものは議事次第と物事の流れが必ずしも一致しない場合があります。決定事項を最初に書いたように決定に至るまでの流れにそって書きましょう。また、そのためには大見出し、小見出しを使って、会議の流れを表現すると見出しを追いかけるだけで大きな流れがつかめるので便利です。この際、見出しは行間を空ける、番号を付ける、書体を変えるなど一目でわかるようにすることがポイントになります。

 ひとつずつは大変なことではないですが、全部を実現するのはなかなか大変です。できるところからはじめてみましょう。

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