Office Web AppsとIME2010

 2010年6月17日よりMicrosoft Office 2010が発売になりました。Windows7が発売後の初めてのOfficeソフトです。Office2007ではじめて採用されたリボンは踏襲されましたが、なくなっていたファイルメニューの復活だとかリボンのカスタマイズなど、使いやすさで改善されています。また、パワーポイントでのビデオ編集、ブロー
ドキャスティング機能、ワードのナビゲーションウィンドウ、エクセルのセル内グラフなどビジュアル面を強化した機能が増えたようです。

 それなりに期待が持てるOffice2010ですが、二つの無料に特に期待を寄せています。ひとつはOffice Web Appsです。これは、エクセル、ワード、パワーポイント、ワンノートをインターネット上で利用できるようにしたものです。2年前にOffice Live Workspaceという名前でエクセル、ワード、パワーポイントを閲覧できる機能を提供していましたが、今回は編集できる機能までついたということです。

 もちろん、編集機能と言っても、Office2010でできることがすべて実現できるわけではなく、むしろほとんどのことができないといったほうがいいくらい機能は限定されています。しかし、あらかじめ出来上がった表の数字を入れ替えたり、文章の一部をちょっと修正なんてことは簡単にできます。たとえば、事務所で一通り作成し
た後に、出先で一部を修正したい場合にそのパソコンにわざわざオフィスを入れなくてすむということです。また、本社で帳票や計画書のひな形を作って、現場や各店舗に配布した場合もそれぞれの現場や店舗では最新のオフィスがなくても簡易な編集ができるということです。オフィスソフトのライセンス料に悩まされている管理者
の方にも吉報だと思います。反応速度はどうしてもWebアプリケーションの宿命として緩慢になりがちなのはあきらめるしかありません。編集機能をよりよく充実させて、かつライセンス料は押さえたいのであればOpenOfficeという選択肢もありますが、同じ会社だからという安心感は大きいかもしれません。

 機能としては、エクセルが関数挿入と書式設定、並び替え、検索等ができ、ワードは書式設定、スペルチェックに表や図、クリップアートの挿入ができ、パワーポイントが書式設定、図、スマートアートの挿入ができます。どの機能もそうですが、簡易なものを作っている人(ちょっとした出納帳やゴルフのスコア表、1枚ですむお知らせ)であれば充分な機能かもしれません。最新のバージョンが閲覧ができることも相手のオフィスのバージョンを気にしなくて済む点でとてもいいことだ思います。

 現時点ではoffice2010を所有しているか試用版をダウンロードするかしないとダメなようですが、いずれはoffice2010なしでも使用可能になるようです。

 もう一つはOffice IME2010の登録ユーザー向け無償提供です。オフィスのバージョンとしてはXP/2003/2007のユーザーが対象となります。これらのユーザーはマイクロソフトのダウンロードセンターからIME2010をダウンロードすることができます。変換速度の向上や変換精度の向上、オープン拡張辞書(他のユーザーが作った辞書を追加できる)機能など入れ替えるだけでもいろいろなメリットを享受できると思います。しかし、私が個人的に一番うれしいのは郵便番号辞書が最新のものが使えるようになるということです。実は、郵便番号辞書は新しいバージョンのIME がでるごとに古いIME の辞書が更新されなくなっていくということがありました。具体的にいうと

 IME2000だと2003年11月まで(Windows2000なら2004年11月まで)
 IME2002だと2008年11月まで
 IME2003だと2008年11月まで

と最新の郵便番号辞書が使えなかったのです。自力でユーザー辞書を追加する方法もあるのですが、初心者にハードルが高いと思います。これがIMEが最新にできることで最新の郵便番号辞書が使えますし、オープン拡張辞書が広まってくれば、いつでも最新の郵便番号辞書が提供される可能性もあると思います。協力業者さんや関係各省庁、発注者等名簿管理はなかなか大変ですが、これができれば一安心です。office2010はすぐに購入しないという方もこの導入はおすすめですのですぐにやってみましょう。

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