自社内開発のポイント

 最近、支援先企業でよく受ける相談に社内システムのデータを業務分析や業務改善に活用したいとがあります。売上情報や顧客情報、経理情報と様々な情報を加工して、経営判資料や業務資料に使うことはとてもいいことです。

 建設現場でもコンクリートの品質管理資料や様々な材料業者からの納品情報を整理する際に複数のデータからまとめた形にしたいという話をよく受けました。

 このようなときに真っ先に思い浮かぶのがエクセルでのデータ整理です。最初はピボットテーブルや集計機能で、それからちょっとした条件関数や検索関数でデータ整理を行える仕組みづくりを考えます。まとめる頻度が多く、手間もそれなりにあるとなるとマクロを導入するということも少なくありません。4年ほど前に、「自社内開発のススメ」といった話で同じような話をしました。エクセルのマクロは大変機能が豊富であり、簡易な自社システムの開発にはうってつけです。

「そういえば、うちでもいろいろマクロを組んでやっているよ」
「結構あっちこっちでマクロ組んだミニシステムがあるよ」

という話も聞きます。

 でも、ちょっと待ってください。そういって安易に社内で簡易なシステム開発を行っていないでしょうか?エクセルが得意な人がいつの間にか無償対応の開発要員のようなことになっていませんか?開発をしてはいけないということではないのです。ただ、ちゃんとポイントを押さえて順序立ててしてほしいのです。

(1) 本当に必要かどうか

 当たり前のことですが、その資料本当に必要かどうかを確認してください。上司から言われたとかたまたまプロジェクト内で作っていたことが定着したとか理由が明確でないまま作っている資料ではありませんか?どういう目的で誰が使うかちゃんと決まっていますか?本当に活用される目的が明確でないなら作るのはやめたほうがいいです。

(2) 今の業務手順がいいのかどうか

 マクロでの業務手順の自動化を行う場合に業務手順をそのまま実現しようとしていませんか?手作業とマクロ化では必ずしも同じ順序でやることがいいわけではありません。また、手動では難しい作業もマクロでは容易にできることがあります。

 また、そもそもの業務手順が人間の知恵や経験に頼りすぎている場合もマクロ化は難しいです。手順を順番に書き出し、その手順の最適化を図ってからでないと無駄なマクロを作ることになります。

 手順を変えることで、関数やピボットなどの機能だけで実現できることもあります。業務手順の見直しは必須だと思いましょう。

(3) エクセルマクロ程度でいいのかどうか

 業務手順のマクロ化にだんだん慣れてくると複雑な業務をマクロ化したくなってきます。しかし、本当にマクロだけに頼っていいのでしょうか?

 エクセルはデータベース的な活用もできます。しかし、やりすぎればやりすぎるほど、便利な反面、開発者が固定され不具合修正や改善が難しくなります。

 アクセスのようなデータベースソフトを検討したり、将来性からシステム開発会社への依頼を検討することも忘れないでください。

 自社内開発は目的と開発範囲、手順を間違わなければ、業務改善にとても有効だと思います。上記の3つのポイントを忘れずに開発をしてください。

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