電子納品と写真管理(工事中)(その2)

 前回に引き続き、電子納品を行うにあたってのポイントをお話します。

 今回は写真管理の工事中編のその2です。

前回は撮影を中心に社内業務でのポイントをお話ししました。今回は、ソフト関連のポイントをお話しします。

1.写真管理ソフト

 電子納品用ソフトの中で写真管理ソフトはかなり多くの種類が販売されており、どれが一番というのはなかなかありません。理由のひとつとして、対象工事の発注者によって、フォルダー構成や工種名が少しだけ異なり、万能な写真管理ソフトがないからです。

 「うちの発注者に対応したソフトがないんだけど」「工事ごとにソフトを買っていたらたまらない」といわれる方もいらっしゃると思いますが、そう心配はいりません。大半が国交省と共通なので、もし発注者に対応したソフトがないとかどれを選んでいいかわからない場合はまずは国交省対応のものを導入してください。電子納品用に出力後、後述する方法で対象の発注者用に合わせることが可能です。

 また、種類は少なくなりますが。現場規模が少し大きくなったらネットワーク対応の写真管理ソフトがとても便利です。担当者ごとに写真整理ができるのは夜の書類業務時間に大きな効力を発揮します。お値段は少々しますが、残業代のことを考えれば絶対にお得だと思います。

2.XML対応エディター

 写真管理ソフトは電子納品用を出力時に行っていることは大きく2つあります。ひとつは写真のファイル名を電子納品用に変更すること。もうひとつは管理ファイルを作成することです。

 この管理ファイルは、XMLという形式で書かれたテキストファイルです。このテキストファイルを修正すればどんな発注者用にでもすることが可能です。

 極論を言うと少ない写真数であれば、写真管理ソフトも不要でWindows 標準ソフトであるメモ帳だけで管理ファイルができるのです。(実際に作ったこともあります。)

 ただし、メモ帳ではあまり大きなサイズも編集できませんし、行番号表示や矩形コピーなどの便利な機能がありません。テキスト編集ソフト(エディター)を導入することをおすすめします。さらに、XML対応であれば、色つきで中身を表示してもらえるのでぜひ対応のものを導入してください。有料はもちろん無料でもいろいろありますのでお好みのものを選んでください。

 「そんなソフト使わなくても写真管理ソフトで全部できるよね」といわれる方もいると思いますが、一括置換や部分的な編集は圧倒的にエディターのほうが早いです。また、チェックソフトが出すエラー行番号に対応した写真管理ソフトはなかなかないです。行番号を探すのはエディターが一番です。

3.チェックソフト

 「チェックソフトは竣工時でいいだろ」いえいえ、出来るだけ早い段階で使用することをおすすめします。私が知っている限り完成度の高いチェックソフトはありません。平たく言うと何らかの不具合を抱えていることがあるということです。

 しかし、残念ながら不具合込みでチェックソフトで合格することが条件になっていること少なくないのです。なぜならば、チェックシステムが合格時に出力する判定表が納品条件になっているからです。なので、早めに動作確認を行うことをおすすめします。チェックソフトをチェックするのは本末転倒な気もしますが、以下の3点はぜひチェックしてください。

・写真管理基準にない工種を追加して対応できるか
・CD-RもしくはDVD-Rに焼かずにチェックできるか
・ネットワークドライブに対応しているか

 一つ目の結果は発注者側ときちんと協議してどうするかを工事の早い段階で対応することが竣工時にあわてないポイントです。二つ目と三つ目は途中経過でチェックソフトをかけたい時や共有サーバーしかハードディスクの空きがない場合に意味を持ちます。

 もちろん、チェックシステムのチェック結果は全社で共有できるようにすると二度手間が省けて助かると思います。その際にチェックシステムのバージョンは必ず明記しましょう。発注者によっては数か月ごとにバージョンアップしていることもあるからです。せっかくの好意が無にならないように注意してください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする