Windows XPからの乗換(その2)

 今回も前回に引き続きWindows XPからの乗換のお話をします。一般的な移行に関しての話です。3ステップで検討を進めます。

(1) 買い替えか?入替か?

 パソコンを乗り換える方法は大きく2つに分かれます。一つ目は買い替えです。この場合は、コストとして、ハードウェアもソフトウェアもかかりますが、既にインストール済みのパソコンを購入すれば、初期の状態は比較的簡単に終わります。

 二つ目はOS(基本ソフト)の入替です。比較的新しいパソコンにWindows XPを導入していた場合、Windows7を含めたソフトを入れかれる方法です。導入コストはソフトウェアだけなので安くなるように見えがちですが、実際にはOSのインストール、各種ハードウェアのドライバー導入、アプリケーションソフトのインストールなど手慣れた人でもそれなりに時間がかかり、不慣れな人だと1日がかりの大仕事になります。

 私としてはできるだけ前者の導入方法をおすすめします。もちろん、リースがまだ終わっていないとか、高性能なのでもったいない場合は後者を選択することもやむなしですが、4年以上前のパソコンであればメインメモリ不足やハードディスクの消耗などで状況によってはハードウェアの部分補強が必要になることもあります。そのことを考えるとWindows7発売以前のパソコンは買い替えすることを検討してください。

(2) どのWindowsにするか?

 さて、移行に関して、どのOSに移行するかですが、パソコンが不慣れな人が多いのであれば、Windows7への移行を検討してください。このOSは2009年に発売され最新ではないですが、延長サポートが2020年まであること、Windows XPとの見た目の差異が少ないことがおすすめする理由のひとつです。もう一つの理由として、業務ソフトではまだ最新のOSであるWindows8に対応していないものもあるからです。

 その第一候補が電子入札システムです。今日現在でWindows8およびInternetExplorer10での正式は動作確認は出ていません。そのため、Windows7を購入したうえにInternetExplorer10を9にダウングレードしなくてはいけないという状況になっています。すべてのパソコンで電子入札をするわけではないと思いますが、業務ソフトのことを考えると無難な選択肢といえそうです。

 ただし、最近はネット販売か特売ぐらいでしかWindows7導入済みのパソコンを見ないですし、最新のパソコンより少し割高になっていることがあります。値段を安く抑えたいのであれば、Windows8を選択肢にすることもだめではありません。あまりいい方法ではないのですがWindows7のように使う方法もあります。次回以降で紹介したいと思います。

(3) データの移行をどうするか?どのデータを移行するか?

 パソコンも決まり、OSもソフトも入ったら最後はデータの移行です。正直これが一番厄介で大変なことが多いです。通常であれば

・電子メールの設定、アドレス帳、メール本文
・ブラウザの設定とお気に入り
・マイドキュメントのファイル
・デスクトップのファイル

ぐらいが対象となります。上記4つのうち、3つはWindowsに標準でついている「Windows転送ツール」を使えば比較的楽に移行が可能です。デスクトップのファイルもマイドキュメントに一時的に移動すれば問題はありません。ただし、これはパソコンが2つある場合に使える技なので元のパソコンのOSを入れ替える場合は使えないことに注意してください。

 ほかにも市販ソフトで移行ツールが発売されていたり、ネットワーク型ハードディスクに添付されていたりします。この場合だと一旦古いパソコンからデータを退避させてから、OSを入れ替えることもできるので1台のパソコンでも対応可能です。

 それよりも問題なのは業務用ソフトはマイドキュメントではないところにデータファイルを保存していることが多く、そのデータがバックアップされないまま初期化もしくは破棄されることがあるということです。

 データ移行ミスでパソコンを新しく購入する以上に手間暇とお金をかけてデータ復元を行っている例も何回も見ています。大事なデータの保存場所は常に把握しておくごとが転ばぬ先の杖です。

 それを考慮すると、やはり買い替えでパソコンを導入したのち、数カ月程度は旧パソコンも使える状態にしておき、業務ソフト等で移行を忘れていたデータを少しずつ新パソコンに移行することが望ましいです。どうしても1台のパソコンでOS入替を行うのであれば、外付けのハードディスクなどを使って丸ごとバックアップを行うことをおすすめします。

 いずれにしてもデータ移行が一番要だと思います。計画的にかつしっかり時間を確保してください。

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