Office2016(その4)

前回に引き続きOffice2016関連のお話しをしていきます。いよいよ、新機能の紹介です。まずはExcel2016からです。

まずは、見た目からですが、Excel2013からだとあまり変わった感じはしないかもしれません。メニューの上の部分が、白色から緑色に変わったぐらいです。ただし、メニューとしては、操作アシストと呼ばれる操作内容を入力すると候補の操作コマンドが出てくる機能が追加されました。初心者にはとても便利です。Office2016共通の機能です。

次に目に付く機能としては、グラフ機能が強化されました。具体的には「ツリーマップ、サンバースト、ヒストグラム、パレート図、箱ひげ図、ウォーターフォール」の6種類が追加されました。どれも少し統計・分析的な要素が強いグラフですが、今までは一工夫していたものが簡単にできるようになったのはとても助かります。初心者向けのグラフではないですが、品質管理や安全管理といった分野では基本的なグラフなので、どんなグラフなのかを知っておくだけでもいいと思います。

次は「予測シート」です。これは例えば、月単位での生産量や施工量を入力しておき、範囲指定したのちにデータタブの「予測シート」をクリックすると、なんと入力していない未来の数量を予測してくれる機能です。これは「指数平滑法」と呼ばれる需要予測でよく使われる手法を使っています。季節性も自動検出してくれる優れものです。もちろん、精度を上げたい場合は、データ量が多いほうが望ましいのでですが、月単位で1年分でもそれなりに推定してくれます。これもいろいろ組み合わせれば2013以前でもできないことはないのですが、簡単にできるのはうれしいですね。

次は「クエリ」です。データベースを使わない人にはあまりピンと来ない機能ですが、既存のデータベースから特定の情報を絞り込んで入手したい方にはとても便利な機能です。このあたりはAccessを使っている人なら、クエリのためだけにアクセスで処理してからエクセルで作業していたことがエクセルだけでできることが増えたといえばよくわかるかもしれません。

もちろん、CSVやテキストデータ、XMLなどのデータもテーブルにしたのちに結合や追加ができるのはとても便利です。自社システムの分析機能が弱くて、エクセルで一工夫している人にはきっと役に立つと思います。特にVLOOKUP関数を駆使して、表の結合をしている人は、びっくりするほど簡単にできるのでぜひ試してください。

実はこの機能PowerQueryと呼ばれるアドインで、Excel2013でもほぼ同じことができます。アドインなので、タブが一つ増えるのですが、2013しかないけど、使ってみたいという方は「Microsoft Power Query for Excel」で検索するとダウンロード先がわかります。(2010はProfessional Plusなら使えるようです。)

次はピボットテーブルの強化です。一番は時間の自動グループ化です。日付データを年月でグループ化する自動でしてくれる機能なのですが、これは今までもできました。しかし、いちいちグループ化しなくていけないこととそのせいで初心者には気づきにくい機能となっていたため、集計で苦労している人が多かったと思います。

自動になったおかげで、最初からグループ化しているのでとても楽です。しかも、2013までと違い、簡単に詳細を確認することができるのでとてもわかりやすくなりました。あとは、フィールド(項目)の検索機能やグラフのドリルダウンなど大きなデータを扱っている人があればいいなと思う機能が追加されていますが、普通のデータ量だとあまり恩恵にあずかれないかもしれませんね。

関数は6つ増えました。文字列結合のTEXTJOINとCONCAT、複数条件を処理できるIFSとSWITCH関数、SUMIFSの最大値、最小値バージョンになるMAXIFSとMINIFSです。

全体的によりデータ分析機能を強化した感じがします。逆の言い方をすると単なる表作成や四則演算しか使わないようであれば、全く新しい部分を使うことはできないということです。エクセルの本来の機能を使うためにもぜひ、一歩先の使い方を学んでみてください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする