建設系資格について(その11)

今回も建設系資格について紹介します。

前回は民間資格として、特に土木系に人気の高いコンクリート診断士・コンクリート技士等コンクリート関連資格を紹介しました。そういえば、コンクリート診断士は公的資格側でも少し触れていたのを忘れていました。重複して申し訳ありませんでした。

代わりといっては何ですが、ほかの診断系資格として、土木鋼構造診断士と構造物診断士を紹介します。土木鋼構造診断士は日本鋼構造協会が認定している資格で、国土交通省登録資格にも含まれています。鋼構造物と言われてピンとこない方もいると思いますが、主なものは鋼橋いわゆる道路橋です。最近はコンクリート橋の点検診断も認められたので、橋全般に通用する資格になりました。

構造物診断士は日本構造物診断技術協会が認定する資格で、こちらも国土交通省登録資格に含まれています。こちらも道路橋(鋼橋・コンクリート橋)を中心にひろく土木構造物全般の点検診断の資格として知られています。

さて、ここからは建築系で人気の高い民間資格を紹介します。

まずはインテリア系でインテリアプランナーです。これは2000年までは国家資格だったのですが、現在は告示が廃止され、民間資格となっています。とはいえ、認定は建築士試験を管理している建築技術教育普及センターなので公的資格に近いのではと思います。学科試験と設計製図試験があり、デザインセンスが必要な資格です。なお、建築士の方は学科試験は省略され、設計製図試験だけで資格取得できます。

似た感じの資格にインテリアコーディネーターというインテリア産業協会が認定する資格があります。こちらも一次試験が学科、二次試験がプレゼンとデザイン画を描く必要があります。この協会では、キッチンスペシャリストというキッチン周りの新築・リフォーム時のアドバイザー資格があります。

コーディネーターつながりではありませんが、色彩設計の資格として、カラーコーディネーターという資格もあります。こちらは商工会議所が認定しており、スタンダードとアドバンスの2つのクラスがあります。2019年度までは検定1級から3級という分類だったのですが、2020年から変わりました。なお、スタンダードが3級相当で、アドバイスが1級・2級相当のようです。1級は分野が3つ分かれていて、「ファッション色彩」「商品色彩」「環境色彩」と専門性があったのですが、統合されたようです。

似た感じの資格で色彩検定があります。こちらのほうが歴史はありますが元の名前が「ファッションカラーコーディネーター検定」だったので、ファッション関連の方に人気の資格です。ただし、1級から3級と別にUC級という色のユニバーサルデザインを対象としたものがあり、こちらはインテリアだけでなく、建築全般にも応用できるのではないかと思います。認定は色彩検定協会が行っており、文部科学省後援資格となっています。

造園というと大げさかもしれませんが、お庭を含む外構関連の資格としては、エクステリアプランナーがあります。こちらは日本エクステリア建築業協会が認定しており、1級と2級があります。学科試験と別に実地試験としてゾーニング図や設計図を書く必要があり、こちらもセンスが必要なものになっています。最近はまちづくり条例や景観条例など建物の見た目、外構に対する制限や条件がいろいろ増えているので、関連業種の方は勉強するだけでも仕事に役立つのではないかを思います。

意匠系を中心に紹介しましたが、設備系も資格はいろいろあります。よく聞くのは、建築設備士です。こちらもインテリアプランナーと同様、建築士試験を管理している建築技術教育普及センターが認定しています。空調・換気、給排水衛生、電気等の建築設備全般に関する資格で、学科試験と設計製図試験があります。スポーツクラブのある複合商業施設とかシェアオフィスのある事務所ビルとか設計製図の課題も知識だけでは書きづらい今風の内容になっています。

ほかにも空調調和・衛生工学会が認定している工学会設備士や情報通信設備協会が認定している情報ネットワークプランナー、消防試験研究センターが認定する消防設備士といった資格があります。建築設備士より設備対象の範囲が狭い分、より深い試験内容になっています。自分の対象としている業務内容に応じて、どの資格を勉強するかを決めてください。

内勤の方でいくと日本建築積算協会が認定する建築積算士、建築コスト管理士があります。建築物の数量算出から工事費算定に関する資格であり、建築積算士の上位資格が建築コスト管理士になります。単なる積算だけでなく、発注・調達も試験範囲なので、建築のお金に関する勉強をしたいときにはお勧めです。

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