ITコーディネータとは、

ITコーディネータ(Information Technology Coordinator)とは、経営者の立場に立って経営とITを橋渡しし、真に経営に役立つIT投資を推進・支援するプロフェッショナルです。ITコーディネータ資格認定制度は、ITコーディネータの実務を含めた能力をITコーディネータ協会が認定する資格認定制度です。 (ITCAより引用)

ITコーディネータとは、1999年6月、通商産業省(現在の経済産業省)産業構造審議会情報産業部会 情報化人材対策小委員会の中間報告で提言された「戦略的情報化投資による経済再生を支える人材育成」からスタートしています。この報告書には、経済再生を目的としたIT系の人材育成を推進させようという提言がありました。

昨今の経営環境は著しく変化しています。規制緩和や国際化等に対応するためには、従来のやり方では生産性・収益性を向上させるのが困難になっています。経営者の方の中には経営戦略の見直しの必要性を感じながらも、どういう風に手をつけていいのかわからずに困っていらっしゃる方もいらっしゃると思います。また、昨今の情報システムは経営に深くかかわっており、経営戦略を考えずにIT戦略は立てられない状況になっています。

ITはもはや業務の効率化にとどまらず、業務そのものを変えていこうとしています。従来のように与えられた条件を元に情報システムを作るだけでは費用対効果を得ることはできません。残念ながら、通常のユーザーは業務に精通しているはITには精通しておらず、ITベンダーはITには精通しているが業務には精通していません。双方の事情に通じた豊富な実務経験を持ち、経営者(ユーザー側)の立場に立って経営とITを橋渡し、真に経営に役立つIT投資を支援できるプロフェッショナルが求められているのです。そのプロフェッショナルこそがITコーディネータなのです。

経営とITの橋渡し
図−1 経営とITの橋渡しを行うプロ−ITコーディネータ

このように、ITコーディネータは、事実上経済産業省から生まれているのですが、情報処理試験とは異なり国家資格ではなく、あえて民間の資格としているのはどうしてでしょうか。それは、IT技術の進展の速さに対応して、認定制度の価値や品質を高めるためにも、民間資格とした方が柔軟に対応できると判断されたためなのです。そのため、現在は経済産業省推奨資格という形になっています。