今回も、ちょっと対象となる方が限定されるかもしれませんが、前回同様AutoCADとエクセルの連携についてお話しします。今回はAutoCADの図面をエクセルに貼り付けることについてお話しします。
今回のはエクセルに限らず、ワードやパワーポイントでも使える方法ですが、工程表や計算書などにつける説明図や参考図としてエクセルに図面を貼り付けることが一番使うことが多いと思います。そこで、特にエクセルに貼り付けることを前提でポイントをお話しします。
1.貼り付け
貼り付けは大きくは2種類あります。
(1) 一番シンプルな貼り付け方
図面の必要な部分を選択後、右クリックして、コピーをクリック。エクセルの貼り付けたい部分の左上のセルを右クリックして、貼り付けを選択。これで、AutoCADのオブジェクトとして貼りつきます。ただし、白い背景がついてきます。これを小さくするにはあらかじめ、AutoCAD側のウィンドウ表示にして、貼り付けたい部分以外が最小限になるようにCADのウィンドウの形を操作しておくことです。こうすることで、余分な白い背景がなくなります。ダブルクリックで再編集できるメリットがありますが、JVの他社でAutoCADを持っていない方と共有するときや背景が白のために表の中に埋め込みたい時などには向きません。そのため、次の方法を使うことが多いです。
(2) よくある貼り付け方
図面の必要な部分を選択後、右クリックして、コピーをクリック。エクセルの貼り付けたい部分の左上のセルを右クリックして、形式を選択して貼り付けをクリック。ここで、図(拡張メタファイル)を選択。これで、WMFとして貼りつきます。背景は透明なので使い勝手はいいです。上記同様、ウィンドウを調整してからコピーすると余分な背景がなくなります。
2.エクセル内での調整ポイント
貼り付けたあと、そのままでよければいいのですが、枠を消したいとかサイズを変更したい等の調整をすることが多いです。よくある調整を3つほどあげます。
(1) 枠自体を消したい時
方法1
枠自体は図を選択後、右クリックして、[グループ化]?[グループ解除]を2回行います。(なぜか1回ではきちんと解除できない)すると枠だけ選択できますので、これで中の図だけを選ぶことができます。ただし、中の図もばらばらになっているので、中の図形を全部選び、右クリックして、[グループ化]?[グループ化]しておくことをおすすめします。
方法2
上記の方法だとたまに線がきちんと分解できない場合もあります。この場合は、図のツールバーを出して、トリミングをかけてください。この方法であれば、枠のデータは消えませんが見た目には消えたようにできますし、初心者には簡単です。
(2) 縦横比を維持して拡大縮小をしたい時
方法1
一番確実な方法は図形を選択したのち、右クリックして、[図の書式設定]をクリックし、サイズのタブにある倍率を調整します。この際、[縦横比を固定する]にチェックを入れておけば安心です。
方法2
数字を少しずつ変えながら調整するのではなく、見ながら調整したい場合は図形を選択したのち、[shift]キーを押しながら四隅の調整ハンドル(白い□)を動かせば、縦横比を維持しながらサイズを変更できます。
(3) 部分的に色を付ける
もともとのCADデータで色付けしておくことが一番ですが、貼り付け終わったデータを受領したときなど、CADデータを色付けできないことも少なくありません。この場合は、オートシェイプのフリーフォームを使って、塗りたい範囲をトレースし、フリーフォームを色付けすることでカバーします。ポイントは、必ずトレースし終わって色を付け終わったら最背面にもっていき、塗った内側にある線がちゃんと見えるようにすることと図を移動の際に取り残されないように元の図面とグループ化しておくことです。この2点は意外と忘れがちなので注意しましょう。
一番大切なことは何でもかんでもAutoCAD側でやろうと思わずにエクセルの図形描画機能を補助的につかうことです。現況図など背景をCADデータで取り込み、上の文字や構造物はエクセルのテキストボックスやフリーフォームを使うような使い方がおすすめです。