前回までに、電子入札の利点・問題点をお話しました。今回から、実際の流れを説明していきます。
まずは準備編。用意するものは大きく4つに分かれます。
・パソコン
最新の低価格パソコン購入をお勧めします。
5年前のパソコンでも動くとは思いますが、入札中にパソコンが止まることを避けたいのであれば、思い切って買うことをお勧めします。最近のパソコンは、不用意な操作でとまりがちなものは少なくなりました。(1年ぐらい前のものであれば、そのまま使っていただいても問題ないと思います。)
パソコンの形態としては、セキュリティのことを考え、ノートパソコンがよいと思います。パソコンそのものをどこかにしまうことができますので。
いっぽう、デスクトップパソコンの場合は、10万円を切るものも出回っており購入しやすいのが利点。デスクトップを購入して専用の部屋に設置している会社もあるようです。デスクトップの場合は、ノートパソコンのようにはバッテリーがついていないので、停電対策も必要です。
・ソフトウェア
・OS(基本ソフト)はWindows98 以降のものであれば大丈夫です。残念ながら、マックやLinuxには対応していません。できれば、Windows2000、WindowsXPをお勧めします。
・ブラウザ(インターネット閲覧ソフト)は、Netscape 7.0、Internet Explorer 5.5 SP2、Internet Explorer 6 SP1になっています。どれも無償でインターネットから最新版を入手できますが、最新版は動作確認が出来ていない場合もあるので、必ず入札局に確認してください。
・JAVA VM (ソフト環境)は、JRE1.3.1_06 になっています。入札用ソフトについているので、それを導入すれば問題ありません。
・入札専用ソフトは、各認証局から提供されるものを使用してください。(ちなみに、このソフトはICカードを使うためのソフトであり、入札そのものを行うものではありません。)
・インターネット環境
添付ファイル送信を考慮するとADSL回線が理想です。ISDN回線でも大丈夫だと思いますが、ただし、業務との回線共有は避けて専用に引くか、入札時には他のインターネット接続を控えるような工夫が必要になります。
また、入札用パソコンでは、操作を限定する必要があります。これは、他サイトを閲覧して不用意に悪意のプログラムをダウンロードしてしまわないためです。
・電子証明書
入札の際に必要になる印鑑証明のようなものです。実際には、電子証明書の入ったICカードとそれを読み取ってパソコンにデータを渡すICカードリーダーで、発注者が決めた民間認証局より購入します。価格や内容は各認証局で異なりますので、充分検討のうえ購入してください。上記JAVA VM と入札専用ソフトの入ったCD-ROMも、この購入時に入手できます。ICカードはトラブル対応のためできれば2枚買うことをお勧めします。
少し難しいことも書きましたが、まとめると新規導入の場合、
1.インターネットが使える環境を作る。
2.ノートパソコンを一台用意。
3.認証局へ手続きをしてICカードとカードリーダーをセット。
4.ソフトをインストールする。
これで準備完了です。意外と難しくないと思いますが、パソコンに不慣れな方には難題かもしれません。