前回の準備編に続き、今度は運用編です。
・入力ミス防止
運用に際して、まず気をつけることは入力ミスです。PINコード(下の略語参照)や入札金額・連絡先等、入力を間違ったために入札ができなかったり、最悪の場合には指名停止処分を受ける恐れすらあるのです。
(つい最近、北海道と三重県で「万」の入力を忘れ、指名停止にあった業者がありました。)
多少時間がかかっても、充分な確認を行い、作業を進めることです。また、担当者は、電子入札のチュートリアルなどをしっかり行い、本番前に充分な練習を行うことが大切です。
・運用管理体制の確立
運用管理体制においては、個々人の役割を明確にし、ICカード管理者や電子入札の入力作業担当者を体制だてておくことが重要です。特に、担当者不在の場合の代理要員を確保し、さらに管理を監査する体制なども構築しておく必要があります。
・運用規定の制定
上記体制を含めた事務手順等の運用ルールを明文化し、関係者に周知徹底させることが望まれます。入札業務は、営業と密接に関連しているため、社内秘で行われることが多いもの。それゆえ、文書化する習慣が少ないように思われますが、引継ぎを円滑に行うためにも、文書は作成しておくべきでしょう。
最後に、電子入札の現状と今後の展開をお話しておきましょう。
ご存知のとおり、2003年度から国土交通省直轄工事は全面的に電子入札になりました。また、部分的にではありますが、地方公共団体も電子入札導入に踏み切っています。(2003年度実績で12都府県)
全面実施の目標年度2010年に向かって、展開は前倒し気味に進んでいます。
今後、まだまだシステム自体も変わるでしょう。入札情報システムの入札説明書・図面等のダウンロード機能や電子入札システムの商業簿記電子認証対応等が、改善されていくはずです。
現在、公共工事の7割を占める地方自治体への導入では、システムが統一されていません。多端末防止のための調整が続けられていくでしょう。
自社が対象とする公共団体の動きを確実に捉え、タイミングを失うことなく電子入札に対応していくことが、受注確保には重要だと思います。