IT-BCP(その7)

前回に引き続き、IT版のBCP(事業継続計画)について、お話します。

前回は計画策定の概要と対策実施計画をお話しましたが、今回はその続きで、教育訓練計画の策定についてお話します。

教育訓練計画

教育訓練計画はその名のとおり、事業継続計画のための教育と訓練を行うものです。事業継続計画のための対策や災害発生時の円滑な行動のために、各自の役割に応じた内容の周知とそのために必要な知識を身につけるとともに、仮想災害時における訓練を実施することで不慣れなためのトラブルを避けるために行います。

また、各担当の能力や訓練時の結果によって、対策実施計画や手順書の不備を見つけ、修正することも目的の一つです。

教育・訓練に関しては、対象者により内容が異なるためにいくつかのグループ(経営陣、幹部、一般社員、IT担当者)に分けて、計画を策定します。その際に気づきや習熟度、問題点の発見といった評価指標や復旧目標(目標復旧時間、内容)の達成度を設定し、単なる勉強会にならないようにします。

特に復旧目標に関しては、不慣れな状態から行うために段階的な目標を設定して、達成への難易度を下げておくことも参加者のやる気を維持するためには必要です。

実施体制、実施方法、実施時期

これらの教育・訓練内容を策定したのち、実施体制や実施方法、実施時期について検討します。実施体制はIT-BCPに関してはIT担当者が主体となることが多いですが、全社BCPとの関連もあるので、独立して行うというよりは一体的に行う方が混乱が少ないと思います。状況に応じて、全体組織と個別組織のような形で情報共有をしつつ、個別で対応することもあるかもしれません。

実施方法については、教育はテキストや動画配信といった自己学習にするのか、集合教育にするかも検討します。基礎知識については自己学習としておき、詳細知識は集合教育といった組み合わせが多いようです

訓練に関しては、その規模に応じて、マニュアルをレビューする形での机上チェックや関係者が集まり読み合わせをすることで役割分担と作業内容を把握するウォークスルー、さらに防災訓練のような形で、仮想災害を発生させて、実際とほぼ同様の作業を行う実動訓練があります。

実動訓練はできるだけ行った方がよいのですが、準備が大変なため、その一歩手前の現場の現物で作業そのものをしたかのように体験するシミュレーションを行うことが多いです。

例えば、サーバーデータのリストアであれば、その作業そのものを実機の影響のない場所(仮想サーバー等)で実施するといった感じです。

実施時期に関しては、人事異動が行われる年度初めのちょっと後や新人研修、中途採用研修といった新規採用時、会社自体の組織変更が行われたあとに行います。他の教育計画と合わせて実施したほうがよいので、人事部等の関係部署と調整しながら時期を決めることが望ましいです。

企業の規模によっては、計画も教育・訓練も自社だけでは難しいことがあります。外部組織でIT-BCPの教育や訓練支援を行っていますので、そのような企業に相談しましょう。

また、関連する企業と連動して行うことが望ましい内容もあると思います。特に協力業者との連絡関連は頻度は少なくてもいいので、連携訓練を計画、実施することをお勧めします。

最後に、教育訓練計画は一度策定したからといって完成するわけではありません。教育実施後や訓練実施後にアンケートやヒヤリングを行い、改善点を見つけ、マニュアルや計画にフィードバックすることを忘れないようにしましょう。

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