メールの受信方式

前々回のパソコンのセキュリティ対策の時に少し説明したメールの受信方法についてお話します。

メールの主な受信方法は2つあります。一つはPOP方式で、もう一つがIMAP方式です。実はこのIMAP方式はWebメールを紹介した6年ほど前にも少しだけ登場したことがあるのですが、詳しい話はしていませんでした。

POP方式

まずは、POPですが、Post Office Protocolの略です、郵便局通信手順といかにもメールらしい方式の名前ですね。現在はバージョン3を使っていることからPOP3と呼ばれることもあります。

通信の流れは郵便局であるメールサーバーに新しいメールがあるかどうかを確認し、あれば手元のメーラー(メールソフト)に受信する方法です。基本的には受信後はメールサーバーから削除されます。

以前はサーバーもデータ容量が限られていたので、受信したものは削除することが原則だったためです。また、一旦受信してしまえば、ネットが切断されていてもメールは読めるため、常時接続ではない環境では重宝されていました。

IMAP方式

これに対して、IMAPはInternet Message Access Protocolの略で、インターネットメッセージの接近通信手段といった感じです。こちらも現在バージョンは4なので、IMAP4と呼ばれることもあります。

通信の流れは郵便局であるメールサーバーに新しいメールがあるかどうかを確認するまでは同じですが、手元のメーラーに見た目は受信しているものの実際はメールサーバーを覗きに行っている感じです。結果として、メールは常にサーバー上に残るので、いつでもどこでも古いメールを見直すことができます。サーバー側で操作するためサーバー側に負担がかかることや容量が必要にありますが、最近は性能が向上し、容量も飛躍的に増大したため、この方式でも問題がなくなってきています。

メールの位置を考えると受信後、クライアント側にあるPOPとサーバー側にあるIMAPという形になり、サーバー側の信頼性を考えるとIMAP側の方が一般的にバックアップには有利です。

複数人で一つのメールアドレスを利用する場合

しかし、複数人で同じメール(会社の代表メールや問合せメール)を共有する場合だと、作業ミスを考慮した場合に必ずしもIMAP形式が安心というわけではありません。

なぜならば、IMAP形式は削除操作をするとサーバー側のメールが消えるため、最初に見た人が間違って削除してしまうと後の人は見れなくなるからです。

もちろん、POPも最初に受信した人が設定を変えなければ、受信後にサーバーから消えるので同じ状況になります。しかし、サーバーにコピーを残すという設定をしておくと、受信後もメールはサーバー側に残っているために次の人も受信できます。また、サーバーに全部がバックアップも取れた状態になるのです。

複数人が同じメールを受信する際に、適切な対応(ミスなく無駄なメールは削除し、大事なメールは保存)ができる人たちばかりなら、IMAP方式、不適切な対応(ミスをして大事なメールを削除)をする人が多そうならPOP方式でメールにコピーを残す方法をお勧めしています。欠点としては無駄なメールも残ってしまうことです。

IMAP方式でもメールをコピーすることでクライアントPCに保存する方法としてメッセージフィルターを利用してローカルフォルダにコピーすることもできます。ただし、こちらの場合はサーバー側のバックアップは削除されたものが残るので、全部を残せるのは特定のクライアント(最初にサーバーアクセスしたもの)になります。一長一短といった感じです。

基本的には一人の場合はIMAP方式、複数人の場合はPOP方式のコピー設定をお勧めしています。この辺りは好みもあるので、特徴をよくつかんで考えてください。

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