周辺機器の選び方【ディスプレイ】

 今回は、表示機器としてディスプレイを取りあげます。

 最近では、しばしば大型ディスプレイやプロジェクターを用意して、発注者へのプレゼや進捗報告、地元・近隣関係者への説明、作業員への教育等を行います。特にCALS/ECで中間検査を行う際には、電子データでの検査をスムーズにするのに大型ディスプレイは不可欠でしょう。また、CADのような大きな画面ほど効率の上がる作業用として、検査やプレゼ以外でも日常的に使えます。

さて、ディスプレイの選び方ですが、機能という観点から次のようなものがあげられます。

・種類

 CRT(ブラウン管タイプ)LCD(液晶)かという選択です。CRTは安価ですが非常に重いものです。しかも今回の目的である大型(19,20インチ)となると、一人では持つには辛いでしょう。もちろん、場所もとります。液晶は高価ですが軽く、場所もとりません。最近は価格も下がってきているので、私は液晶をお勧めします。

 *以下は液晶の際の注意事項としてとらえてください。

・解像度

 通常大型ディスプレイの推奨解像度は、SXGA(1280×1024)かUXGA(1600×1200)のどちらかになっているはずです。しかし、それらのサイズ表示では非常に小さい字になってしまい、みんなで頭を寄せ合って見ることになります。プレゼ等で使うのであれば、高い解像度よりもXGA(1024×768)で表示した時にきれいに見えること(スムージング機能といいます)がついているものを選びましょう。(最近のものはほとんどついています)

・輝度、コンストラスト比

 輝度とは画面の明るさを意味します。単位はcd/m2を使います。おすすめは400cd/m2以上。明るいと目が疲れるという人もいますが、ある程度は調整可能なので能力の高いものを選びましょう。特に動画の場合は、明るいほど見やすいのです。コンストラスト比は、白と黒の明るさの違いで、映像や文字がくっきり鮮やかに見えます。「400:1」以上のものがお勧めです。

・応答速度

 画面上で色の変わる速度を示します。単位はms。数字が小さいほど短い時間で変化できることを示します。数値としては、16ms以下であれば動画を見るときに楽です。

・接続方法(入力系統)

 従来の接続方法は、アナログでした。[D-Sub 15pin]という端子で接続します。しかし、液晶ではこれに加えてデジタル接続という方法もあります。端子はDVI-D(DVI24pin)とDVI-I(DVI29pin)の2種類があります。DVI-Dはデジタル専用で、DVI-Iはデジタルとアナログの兼用です。画質の劣化を抑えるのであれば、デジタル接続が望ましいのですが、パソコンによっては出力できない場合もあるので、両方がついているものがベストです。

・ビデオ端子の有無

 これは、テレビを見られるようにという意味ではなく、ビデオデッキやビデオカメラを直接再生できるような端がついているのがよいということです。最近はTVチューナー内蔵型も出ていますが、高価になりやすいのでビデオ端子だけでもついているのがいいかもしれません。

 

 様々な点をチェックする必要があり戸惑うかもしれませんが、大抵カタログの裏表紙にまとめて記載されていますから、数字を確認するだけで大丈夫です。

  価格的には、19インチが6万円から8万円、20インチが14万円から16万円ぐらいです。1インチ違いでずいぶん値段が違うので、予算が厳しければ19インチを選びましょう。21インチ以上のサイズですと見易さも一段とあがるのですが、値段が20万円近くなります。これならば少し安価なプロジェクターに手が届いてしまいます。

 次回は、20万円以上の予算がある人向けにプロジェクターの選び方をお話します。