第46号から7回にわたり、様々な周辺機器の選び方を紹介してきました。タイトルで振り返ると、以下のようになります。
第46号 G016 周辺機器の選び方【CD、DVD】
第49号 G017 周辺機器の選び方【MO、FDほか】
第52号 G018 周辺機器の選び方【スキャナー】
第55号 G019 周辺機器の選び方【プリンター】
第58号 G020 周辺機器の選び方【ディスプレイ】
第61号 G021 周辺機器の選び方【プロジェクター】
第63号 G022 周辺機器の選び方【ネットワーク関連】
別の業界の友人に言わせると、建設業の工事事務所は「IT工場」だそうで、それほど多くの機器に取り囲まれています。どれも電子納品には必要不可欠であり、結果的に多額の費用が業者にのしかかっています。
今後、国から県へ、県から市へと電子納品の波はますます広がりを見せています。公共工事のみならず民間工事でも、電子納品的な発想(CADデータでの納品、打合せ簿のメール交換等)がなされており、これを避けて通ることはできません。
今回は、まとめ編として、周辺機器をどのように管理していくかをお話します。
まず、第1は「現場ごとで対応せずに会社全体で対応する」ということです。
電子納品の波がきはじめた頃は、IT(もしくはOA)の得手な社員を配置して、パソコンショップのいいなりに近い状態で機器を買い揃えた会社も多いはずです。そのうち、複数の現場で電子納品が始まり、あちこちでその場しのぎの対応が行われた結果、現場終了時には大量の周辺機器が集積することになります。また、購入やリース、レンタルと予算や期間によって様々な形態のものがあるでしょう。
G013「パソコンの選び方(その2)」でお話ししましたが、会社としての方針を明確にすることが大切です。具体的には、
・導入形態(購入、リース、レンタル)
・導入対象(会社・現場)
・周辺機器の選び方(※今までのメルマガを参考にしてください)
・導入相談窓口
等についてです。導入相談窓口は、そのまま周辺機器管理窓口にもなりますから、一箇所に固定するのが望ましいでしょう。
第2に「管理台帳をつけ、現場間で融通しあえる環境を作る」です。
先ほど、周辺機器はどれも必要不可欠だといいましたが、常に必要なわけではありません。特に大型プロッターやA3スキャナー、プロジェクターなどは、現場単独で購入する必要はあまりないでしょう。これらは会社で購入するものとし、必要に応じて貸し出しを行う仕組みを作ります。
また、現場購入の周辺機器も、必要に応じて貸し借りができるよう管理台帳をつけましょう。これで不要なものを買わずに済みます。特にデジタルカメラや小型 プリンターは、低価格なのと使用頻度が高いのとで、会社内にはかなりの台数があるでしょうが、効率よく使われているとは限りません。管理台帳は、コスト管 理の面でもメリットがありますし、インクトナーや記録メディアなど消耗品の共同購入・管理にも役立ちます。
最後に「トラブルをまとめ、ITリテラシーを向上する仕組みをつくる」です。
休日や夜間など、サポート会社にきちんと対応してもらえないような状況下で、なぜかトラブルは発生するものです。簡易なトラブルなら自分たちで解決でき るよう、仕組みを作っておくのは大切です。例えば、急にプリンターで印刷できなくなった時に、「電源の確認」「インクトナーの容量の確認」「紙詰まりの確認」「ケーブルの確認」などの項目を簡単に整理したチェックシートを用意しておき、それを調べるだけでもかなりの問題が解決します。私の経験では、大半のトラブルはこのような初歩的な問題です。また、現場で解決しなかった場合でも、サポート会社が解決するまでの時間が確実に短くなります。
トラブル対策を自分たちのIT習得レベルに合わせて作り、全社に広める仕組みをつくることが大切です。
上記は、周辺機器にとどまらずOA機器全般に言えることですが、パソコンやコピー機など大物に関しては、比較的出来ていることが多いのです。それに対し、周辺機器は安価で種類も多いので、そこまで対応できていません。この機会に、御社の管理体制を見直してみてはいかかでしょうか。