周辺機器の選び方【プロジェクター】

 今回はプロジェクターです。現場につき1台というわけにはいきません(現在、大規模現場ではほとんど置いています)が、会社に1台あると便利なものです。ここ数年、ホームシアターと称しプロジェクターを家庭で使われる方も増えているようです。

 私も実際に、プロジェクターを使って安全勉強会や近隣説明会を実施しましたが、紙やホワイドボードに比べてインパクトがあるらしくとても好評でした。(安全勉強会は寝る人が増えて少し困りましたが。。。)特に近隣関係者や地元の方は、現場に入らずして写真やビデオ等で工事状況が把握できるので、信頼感の向上に貢献できたのではないかと思います。

 では、プロジェクターのポイントを挙げていきましょう。
 
(1)投影方式

 CRT方式、液晶方式、DLP方式の3つがあります。
 CRT方式はブラウン管を赤・青・緑の3色で投影するものですが、大型で調整が難しく、最近は少なくなりました。
 液晶方式は、液晶を3枚使って反射もしくは透過させて投影するものです。あとで説明しますが、コンストラスト比が低く、メリハリの利いたものを見るのには向きません。また、長時間投影すると液晶が劣化して映りが悪くなってきます。
 DLP(Digital Light Processing)方式は、特別なレンズと光を使ったもので、高いコンストラスト比が得られます。しかし値段も高いです。また、動画は少し不得手です。

 金額がゆるせばDLP方式をおすすめしますが、使用頻度がそれほどなければ液晶でも充分です。

(2)明るさ

 投影面の輝度が明るいほど、周りを暗くせずにすみます。単位はANSIルーメンというものを使います。目
安としては、

・1000 ANSIルーメン以下
 10人以下の集まりに。少し暗くする必要がある。
・1500?2000 ANSIルーメン
 10人?50人の集まりに。普通の蛍光灯下でOK。
・2500 ANSIルーメン
 50人以上。どこでもOK

となります。当然、明るいほど値段が高くなります。1500?2000ぐらいがおすすめです。

(3)コンストラスト比

 (1)で説明した投影方式で決まる場合が多いです。コンストラスト比とは、一番明るくできるところと暗くできるところの比で、大きいほどメリハリがでます。くっきり見せたければコンストラスト比が高いものが見やすいのですが、1000:1以上あれば、普通サイズの字はOKです。2000:1ぐらいがおすすめです。

(4)解像度

 ほとんど、XGA(1024×768)かSVGA(800×600)のどちらかです。当然XGAの方が見やすいですが、投影する文字を大きくするか、写真や図中心ならばSVGAでもそう問題ありません。

(5)調整機能

 パンフレット等をよく見る必要がありますが、主に台形調整機能と短焦点レンズがポイントです。
 投影するスクリーンに対しプロジェクターを少し斜めにすると、投影したものが台形になります。そのため、プロジェクターは、いつも真ん中の比較的高い位置に置く必要がありました。台形調整機能は、斜めからでもきちんと長方形(4:3)に投影できるようにプロジェクターを調整する機能です。自動調整のものもあり
ますが、手動でもOKです。
 投影面積を大きくしたいときはプロジェクターを後ろに下げますが、短焦点レンズは比較的近い位置でも大きい投影ができるという機能です。台形調整機能と組み合わせると、狭い部屋でも大きな投影ができるので便利です。

(6)その他 「データプロジェクターとシアタープロジェクター」

 よくある質問に、データプロジェクターとシアタープロジェクターの違いがあります。
 データプロジェクターは、文字や図などの静止画をパソコンをつなぎ明るい場所で見るように最適化したものです。シアタープロジェクターは、映画やテレビなどの動画を、少し暗い場所で鮮やかに見るように最適化したものです。そのため、データプロジェクターは輝度が高く、コンストラスト比は少し低め。シアタープロジェクターは輝度が低いかわりにコンストラスト比が高めです。どちらでも反対の目的にも使えないことはありませんが、目的を絞って買うことをおすすめします。

 最近は低価格化が進み、20万円以下のものも増えましたが、主流は20万円から40万円のものです。現場ではなかなか手が出しにくいでしょうが、一度使ったならばその便利さ・インパクトで、研修会見学会で必須になると思います。まずはレンタル等で一度体験してみてください。