さて、第2弾は【Jw_cad】(ジェイダブルキャドと読みます。)
表計算やワープロソフトの次は、CADソフトですね。これだけで現場の書類作成は一通りできるといったら言い過ぎでしょうか。重要ソフトです。
CADソフトの代表格としては、AutoCADがあります。一般的に使われているのは2D機能に限定されたLT版でしょう。定価は178,500 円。このソフトと優劣つけがたい機能を持つのが、今回紹介するJw_cadです。
1991年当時、まだまだCADは高嶺の花でした。当時はまだAutoCADもLT版はなく、高価格の専用機に入っていた高いソフトでした。(おそらく機器こみで200万近かったと記憶します。)
ところが、そのようなソフトが、Nifty-Serve[建築フォーラム]にPC-98シリーズ用
として無料配布されたのです。その後、「建築知識」という雑誌で紹介され、瞬く間に全国に普及していきました。現在はWindows版として、Ver5.0が登場しています。
このソフトの特徴は、何と言っても、その使いやすさにあります。もともとは、開発者の方が市販CADソフトに満足できずに作り出したというだけあって、使用者側の立場に立った様々な工夫がなされています。
また、外部変形という機能を使うと、様々な自動化が図れます。本体が無料とあって、その外部変形で提供されているソフトもほとんどが無料です。CADソフト単体では実現しづらい専門的な特殊用途も、この外部変形を利用してカー可能です。また、クロックメニュー(マウスを最大限に活用した機能)によって、作図効率をあげられるようになっています。使いこなせば使いこなすほど作図時間が短くなるのも、ユーザーサイドにたったJw_cadならでしょう。
電子納品対象のJV現場では、表計算・ワープロは比較的マイクロソフトで統一しやすいのですが、CADソフトはなかなか統一しづらい状況にあります。特に協力業者とのやりとりにおいて、高価なソフトは敬遠されがちです。そこでこのJw_cadの登場になるわけです。
違法コピー防止もさることながら、同じソフトで作成することによる互換性の確保が非常に重要です。
私自身、現場で、協力業者とCADのやりとりが行えるように、土日にCAD講習会を開いたものです。その場その場を考えれば、遠回りのような気がしますが、決して無駄ではありません。1年近く継続する現場であれば、竣工時の竣
工図作成では作業効率が格段にあがります。(協力業者にデータ納品をしてもらえるため。)また、施工中も、施工手順書や施工図において精度の高い機器配置や干渉検討などが可能なので、施工自体の効率UPも図れます。(狭小作業場での威力は大きいですよ)
他にも、重要なポイントとしてSXFへの対応が挙げられます。AutoCAD はそもそも米国産であるため、日本規格であるSXFへの対応が遅く、LTに関してはオプションとして別売となっています。Jw_cadは、今回提供された5.00において線種・線色への対応を完了しました。まだ未完成な部分がありますが、積極的な対応が期待できそうなので、土木系にもおすすめできます。
現在たくさん出ている市販CADソフトですが、今後3次元CADへの転換がCADソフトの淘汰のきっかけになるでしょう。Jw_cadは、2.5D機能や天空図作成機能など現場のニーズに応じた拡張をすすめています。3次元への対応は未定ですが、期待したいと思います。