無料ソフトで業務をこなそう(その6)

 今回は電子納品関連ソフトの紹介です。残念ながら、電子納品ソフトで完
全なフリーというものを残念ながら知りません。よくあるものとしては、30日間や60日間といった期間限定の体験版か機能制限(印刷ができない等)の体験版が浮かびます。
 しかし、下記で紹介するソフトは、機能制限なしが1年間、しかも、閲覧はその後もできてしまうという、太っ腹といいますか頭が下がる「体験版」です。1年
間あれば、中規模現場なら充分終了しますから、ひとつの現場の着工から竣工?納品まで、体験版でできるのです。

 

話も元に戻して、電子納品ソフトを経験されたことはありますか。「うちは民間主体だから」「まだうちの市町村は本格的にやってないし」という方も多いでしょう。
 国土交通省の電子納品基準ですら、初版が出てから5年近くになりますが、
未だに(案)の文字が取れておらず、仕様が確定していない部分があります。とはいえ、確実に内容は充実してきましたし、2010年までには全市町村での電子納品開始に向けて、着実に広がりを見せています。

 電子納品ソフトの目的は、仕様にあった工事書類の電子化ですが、別の見方をすれば、体系的な工事関連書類の整理方法と考えることもできます。実際、電子納品のフォルダ分類を応用して社内の工事関連書類を整理している会社もあります。写真管理なども、電子納品ソフトであらかじめ主要工種をおさえておけば、撮り忘れや準備不足も減るはずです。つまり、電子納品ソフトは、対象発注者への納品だけでなく、社内工事関連データの整理ツールとして使うこともできるのです。

 私自身、とても便利だと感じたのは、写真の検索です。工事写真は、その工事終了後も、受注や教育に役立つ場合があります。電子納品ソフトでは、日付や項目で検索するできますが、その基本には、写真を取り込んだ後に必要項目を容易に入力できる仕組みがあるのです。結果的として、撮りっぱなしになりがちな写真を有効な共有情報に変換できるのです。

 では、ソフトの紹介です。ソフトはQuickProjectという名前で、写真管理ソフトのPhotoManagerと電子納品ソフトのCALSManagerの2種類があります。

◆PhotoManager
 http://www.wise.co.jp/quickproject/pm6/default.htm

◆CALS Manager
 http://www.wise.co.jp/quickproject/cm3/default.htm

 初めての方は、PhotoManagerからお使いになり、写真管理からはじめるとよいでしょう。CALSManagerはPhotoManagerに電子納品の機能を加えたものですので、ステップアップとして考えてもらってもいいとおもいます。

 「電子納品ソフトの意味はわかったけど、ちょっとめんどくさそうだな」と思われる方には、画像閲覧ソフトもひとつの手です。 おすすめは、

◆統合画像ビューワーVix
 http://homepage1.nifty.com/k_okada/

 写真を一覧で見られるのはもちろん、スライドショー機能で画面一般に連続して表示したり、アルバム機能で3枚ざしの写真台帳のように印刷することも可能です。コメントやキーワード入力、検索も可能です。納品形態にはなりませんが、写真管理には充分使えるソフトです。

 デジタルカメラによって、写真を気兼ねなく取れる環境になった今、その写真を生かすためにもぜひ上記のようなソフトを利用してみましょう。