今回は、ちょっと対象となる方が限定されるかもしれませんが、AutoCADとエクセルの連携についてお話しします。AutoCADは2D中心のLTでも実勢価格で15万ぐらいと安くはありませんが、建設業界では大手を中心に導入率が高いです。また、電子納品対象現場が増えたことから現場での導入も進みつつあります。
そこで、今回は簡単でかつ便利なエクセルとの連携の中で座標に関するものを紹介します。
(1) 測量座標のとりこみ(エクセルからAutoCAD)
現況測量や出来形測量などで得られた座標をAutoCADに入れることはよくあります。しかし、大半の方は、座標をひとつずつ打ち込んでいるのではないでしょうか。手間もさることながら、入力ミスや確認ミスなども起きやすいです。これをエクセルを使って一気にとりこむ方法を説明します。
まず、エクセルに各座標を入力します。もちろん、測量業者さんにお願いしている場合なら、データをそのままもらうようにしましょう。A1とB1にそれぞれX座標、Y座標が入ったとします。
次にC1に
="point "&A1&","&B1
と入力してください。あとは、データの数分だけその式をコピーしてもらえば準備完了です。
次に座標を取り込みたいCADファイルを開いてください。もちろん新規図面でもかまいません。
最後にエクセルのC列で式が入力されている部分も範囲指定し、コピーをしたあと、AutoCADのテキストウィンドウのコマンド入力部にカーソルを移動させ、ペースト(Ctrl+V)を実行してください。またたく間にポイントが生成されます。
実はAutoCADのテキストウィンドウにはこのように複数行のテキストを一行ずつコマンドとして理解する機能があります。今回はそれを応用したものです。本来なら、エクセルで作ったものをメモ帳などに貼りつけたのち、SCRの拡張子で保存し、スプリクトとして実行するのが正統派です。この作業もそれを省略したもので
すが、繰り返し行う作業であれば、スクリプトにするのも一案です。
線分(Line)や円(Circle)でも同様のことができます。試してみてください。
(2) 測量座標のとりこみ(AutoCADからエクセル)
AutoCADのIDコマンドで交点や端点などを拾い出すことがあります。その座標を拾うのに出てきた結果を画面を見ながらエクセルにうちこんでいませんか?それをまとめてやることができます。
まずは、AutoCAD側でIDで順番に拾いたい座標をクリックしていきます。全部終わったらキーボードのF2ボタンを押してください。テキストウィンドウが前に出てきたと思います。これを範囲指定して、コピー(Ctrl+C)をしたのち、エクセルに貼り付けます。これで座標データを含んだテキストがエクセルに取り込まれました。これからがポイントです。貼りつけたセルを範囲指定して、[データ]?[区切り位置]を選びます。そこで、「カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとを区切られたデータ」を選び、次へをクリック。区切り文字としてスペースをチェックし、さらにその他の中に=を入力してください。すると各座標と余分な文字列がきれいにわかれて表示されるのが見れるはずです。あとは完了ボタンをクリックすれば、各列に分かれたデータを入手することができます。
気をつけてほしいのは、どの座標を拾ったかは見た目ではわからないということです。必ず、拾う順番をあらかじめ決めておいたうえでその順番を間違えないように拾うようにしてください。
どちらの連携も知ってしまえば大したことではないのですが、知らないとすごく時間のかかる作業になります。ぜひ、活用してください。