会社でのスマホ利活用(その12)

前回に引き続き、会社でのスマホの利活用についてお話します。

前回は、入力負担軽減のためにバーコード読取りのための手法についてお話しました。今回は音声入力の派生で翻訳アプリについてお話します。

翻訳ツール

生成AIの発達に伴い、様々なことが以前と比べ物にならないほど、性能が向上しています。文書生成や画像生成だけでなく、動画生成もできるようになってきました。

その中で、翻訳ツールも従来の単語レベルから少し難しい会話でも翻訳ができるようになってきています。どんな場面で使うかという海外旅行や国際会議といったケースが例に出ますが、建設業や製造業の場合、技能実習生との会話に有効なのです。

例えば、Web会議であれば、相手の言葉をリアルタイムでテキスト化して、さらにそれを特定の言語に変換できるのはTeamsなどでも標準機能でできます。ライブキャプションを使うと画面に字幕として表示さえれるので便利ですよね。

Web会議ツールのライブキャプション機能

Web会議ツールもスマホアプリがあり、そのアプリにライブキャプション機能がついていれば、スマホ同士での対応も可能です。

もちろん、会議だけでなく、事務所と現場といった少し距離がある場合に連絡を取りたい時に電話ではなく、Web会議でライブキャプションを利用するという方法をとることで、相手に情報を伝達しやすくできます。

実はこのライブキャプションは難聴者のかたにも有効です。筆談より圧倒的に速いので、もし関係者がいれば、ぜひお試しください。

翻訳ツールは専門アプリなので、音声入力だけでなく、画像認識や手書き入力に対応しているものも多いです。この機能がある場合は相手に母国語を書いてもらって、翻訳してもらうことも可能です。

この手書きにもAI認識は利用されているので、少しぐらいのクセ字でも大丈夫です。ただし、日本語の場合は書き順の影響が意外とあるようなので、これを機に正しい書き順を把握しておきましょう。変換の精度向上に寄与します。

とはいえ、音声入力は周囲の雑音やイントネーション、しゃべり方のクセで翻訳がうまくいかないことがあります。その場合は一度文字起こしを利用してください。テキスト翻訳は音声入力より精度が高いので、まずは文字起こしでテキスト化して、内容を確認してから、ツールを使って、変換すると精度が高まります。

きちんと伝えたい場合は、上記のステップを踏んで、文字起こしからテキスト翻訳、短文で簡単な情報共有や業務指示であれば、音声入力でそのまま表示といった方法がいいと思います。

母国語でしゃべる音声合成機能があるツールもありますが、翻訳結果に比べると少し機械っぽいので、画面を見せることができるのであれば、画面を見せたほうが相手には伝わりやすいようです。

画像認識による作業手順書の変換

画像認識であれば、安全標識や簡単な手順書もその場で母国語に変換することが可能です。日本語で作成した手順書を変換して渡せるのが理想ですが、そのままで相手に伝えたい場合は画像認識を利用して見てもらいましょう。虫眼鏡で覗き込んだ感じで最初は違和感があるかもしれませんが、慣れるととても便利に感じてもらえるようです。

ここで問題があるとするならば、翻訳ツールは専門用語が不得意です。そのために、まずは専門用語をわかりやすい言葉に置き換えた後に、翻訳ツールを利用するか、予め専門用語の解説シートを作成しておき、こちらを手元に置きながら見ていただくことをお勧めしています。

適切なコミュニケーションができるとトラブルも減りますし、作業効率にも貢献できると思います。自社に外国人労働者がいる企業であれば、ぜひご検討ください。

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