日本語変換を便利に使おう(その4)

 前回は、システム辞書による便利な変換方法をお伝えしました。市販辞書やインターネットで提供されている辞書を登録できることもお話しました。

 「でも、自分の業界用の用語辞書はなかったよ」、「会社特有の略語があって困っている」という方もおありでしょう。
 今回紹介するのは、自分で辞書登録するユーザー辞書です。

 ユーザ辞書とは、自分で好きな単語を登録できる辞書のことです。
 具体的には、登録したい単語が決まってユーザー辞書機能を使うには、以下の操作をします。

・ツールバーの中にある[ツール]をクリック
・出てきたメニューから[単語/用例の登録]をクリック
・読みをひらがなで、語句は漢字で入れます。あらかじめ、
 語句を範囲指定しておくと、入力の手間がはぶけるようになっています。
・変換精度を高めたいばら、品詞をプルダウンから選んでおきましょう。

 同じメニューに入っている「用例」とは、例えば「データを照会」のはずが「データを紹介」と変換してしまうことがありますね。そこで、データとくれば照会だよと
認識させるのです。つまり、名詞と動詞の組合せを登録するものです。頻度の多い変換ミスなら登録する価値は大きいですが、手間がかかるのと、活用形を間違えると役に立ちませんので、国語の不得意な方にはおすすめしません。(私もそうです。)

 「たくさんあるんだけど、どうしよう」という方は、一括登録が便利でしょう。
 まず登録したい単語の一覧表をつくります。単語は読み、語句、品詞の順番で一行に一単語とし、区切りはタブで区切ります。エクセルで入力して、タブ区切りテキストで保存してもよいのですが、メモ帳等で作ると分かりやすいでしょう。(下にサンプルを示します。)テキスト形式で保存してください。

もりど    盛土    名詞

 準備が出来たら、
・ツールバーの中にある[ツール]をクリック
・出てきたメニューから[辞書ツール]をクリック
・[ツール]メニューから[テキストファイルからの登録」をクリック
・作ったテキストファイルを選んで、[開く]をクリック
・すると登録結果が表示されます。登録ミスがある場合、エラーロ グの出力を選んでエラーログファイルを保存できます。なぜ登録 できなかったのかが説明されているので、うまくいかない理由を確認 しましょう。大抵は既に登録済みである場合が多いようです。

 さて、最後に「育てた辞書を他のパソコンで使いたい」、「会社で統一の辞書をつくりたいとご希望の方にお話します。
 [辞書ツール]は登録だけでなく、一覧の出力もできます。これによって、出力されたファイルを先ほどと同じ要領で他のパソコンに登録すればOKです。また、会社の各パソコンから入手した出力ファイルをひとつのパソコンに登録しなおせば、重複単語は再登録しませんので、あっという間に会社全体での共通辞書ができます。あとはこれを再度一覧出力してから、元ののパソコンに再配布し登録すればOKです。

 新しく買ってきたパソコン・入力が不慣れで辞書登録ができていない人のパソコンも、この操作で変換効率があがります。辞書情報の共有化はささいなことのように思えますが、メールや文章で誤変換がなくなるなど、意外と効果を発揮するおすすめの手法です。もちろん、辞書統合の際に個人特有の用語が入ることに関しては注意が必要ですが、そこに気をつけさえすれば、ぜひお試しいただきたい業務改善の手法です。