ちょっと小粋なパワーポイント操作(その7)

 パワーポイントを持たない相手に、ファイルを渡して見せるという方法があります。今回は、これについて説明しましょう。

 方法は3通りあります。

1.互換性のある無料ソフトで見る
 OpenOffice等の無料ソフトをインストールし、閲覧してもらう方法です。編集もできますが、アニメーションなどで一部互換性がないため、そっくりというわけにはいきません。また相手がインストールをしなくてはいけない場合は、相手のITリテラシー(ITを使いこなす力)に依存することになり、難しいかも知れません。

2.PowerPointビューワーでみる
 無料入手できるビューワーをインストールしてもらえば、閲覧印刷が可能です(ただし編集はできません)。インストールが苦手な相手には、あとで述べるプレゼンテーションパックがおすすめです。

3.ブラウザでみる
 最後の方法が、インターネットエクスプローラーのようなWebブラウザでパワーポイントを見せるものです。この方法を使えば、相手は何の準備も無く閲覧出来ます。

 では、これから3番目の方法について詳しく述べます。
 できあがったパワーポイントファイルを開いた状態で、[ファイル]?[Webページとして保存]をクリック。保存用のダイアログボックスがでてきますので、最小限のオプションですませてよい場合は、このまま保存ボタンをクリックして終わりです。
 できたファイルを相手に渡すと、ダブルクリックでブラウザが起動し、内容が閲覧できます。基本操作は、下の中央にある矢印ボタンでスライドを動かすか、右にあるアウトラインのタイトルをクリックするだけ。これでスライドがかわります。また、左下にある[アウトライン]ボタンをクリックすると、スライドのみの画面になります。

 「でも、せっかくつけたアニメーションができないじゃないか」とお嘆きの方、ご安心ください。右下にある[スライドショー]をクリックすると、全画面表示され、アニメーションもちゃんと動くのです。私自身も、全部再現できると知って驚きましたが、どうもJavaScriptを使って実現しているようです。

 しかし、この保存方法には若干の欠点があります。保存した状態が最新となるため、拡張子がpptからmhtに切り替わっているのです。気付かないでそのまま編集しても問題ないとは思いますが、できればパワーポイントファイルのまま、保存だけ別ファイルにしたいのではないでしょうか。

 その方法が発行というものです。実は、[ファイル]?[Webページとして保存]をクリックし出てくる保存用のダイアログボックスは通常のものと違って、[発行]ボタンがあります。このボタンを押すと、パワーポイントファイルはそのまま、新たにWebページ用のファイルを作ることができるのです。

 [発行]ボタンを押すと、細やかなオプションが設定できます。発行したいスライドページの指定やノートに記載した文字の表示、Webブラウザのタイトルバーに表示される名前の変更などもできます。
 [Webオプション]をクリックするとさらに細部にいたる設定が可能。おすすめなのが、[全般]タブの[ブラウズ時にスライドアニメーションを表示する]と、[図]タブにある[画面サイズ]です。[ブラウズ時にスライドアニメーションを表示する]の
チェックを入れた状態で保存すると、先ほどとは異なり全画面表示しなくてもアニメーションが再現できます。また、[画面サイズ]を変更すると相手の見やすいサイズで渡せるのです。

 また、[発行]の際に[参照]をクリックしてファイルの種類をWebページに変え、同時にファイル名を半角英数字にしておけば、Webサーバーにアップロードすることも出来ます。イントラネットのような環境を用いて、社内でのオンライン教育などに使えます。

 最後に、最初に挙げた2.PowerPointビューワー法でおすすめの、プレゼンテーションパックについてお話します。

 [ファイル]?[プレゼンテーションパック]をクリックすると、ダイアログボックスが開きます。通常であれば、ここでCD?R等のメディアを入れ、CDにコピーをクリックすればOKです。相手にそれを渡せば自動的にビューワーが起動し、閲覧出来る状態になります。
 また、ビューワーとファイルをセットにしたいだけなら、ダイアログボックスでフォルダーにコピーをクリックし、任意のフォルダに保存すれば、そこに必要なファイルとビューワーがセットで入ります。再生するは、中にあるplay.batをダブルクリックするか、pptview.exeをダブルクリックしてから再生したいファイルを選択します。(後者のほうが他のファイルも再生出来るので覚えておくと便利です。)

 USBメモリなどにコピーすれば、閲覧ソフトつきで持ちまわれるので、相手先にパワーポイントがあるかどうかを気にする必要がありません。ファイルとは別に4MB程度必要になりますが、最近のメディアのサイズを考えるとたいしたことはないでしょう。

 エクセル・ワードに比べると再生環境がない場合が多いのですが、上記の方法を知っていれば、安心です。