ちょっと小粋なパワーポイント操作(その3)

 さて、今回はパワーポイントでの中心作業となる、図形描画でのワンポイントレッスンです。図形描画については、前回 説明した配置・整列以外にも、グリッド機能を利用して、最初からある程度そろえて書く方法(【ちょっと便利なワード操作(その3)】)、フリーフォームを使って複雑な図形を新規に作る方法(【ちょっと便利なワード操作(その7)】)もお話しました。これ以外にもまだまだあります。

 

   例えば、図形に文字を埋め込む場合です。
 初心者の多くは、図形の上にテキストボックスを重ね合わせるようですが、図形を描いてからその図形を選択し、右クリックするとテキストの追加とメニューが表示されます。これを使えば、簡単に図形に文字を埋め込むことができます。

 また、一度作った図形を違う図形に変更する場合はどうでしょう?
 多くの方は、いったん図形を削除して新たな図形を描いていますが、その図形を選択した後に、図形描画のツールバーの中にある「図形の調整」ボタンをクリックしてオートシェイプの変更を選ぶと、変更できる図形が選べます。ここで変更したい図形を選択すると簡単に図形を変更できます。複数図形を選択したの
ちに、一気に変更もできます。
 ここでのポイントは、中に書いた文章はそのまま維持できるということです。ですから、最初は四角でどんどん内容を記載して全体イメージをつかんでから、タイトルは角丸四角にし、強調したいメッセージを星型や他の図形に変更するなどが簡単に出来ます。
 ちなみに複数図形を選択するには、1個目の図形を選択後、シフトキーを押しながら次の図形をクリックします。その際に間違った図形を選択しても、シフトキーを押しながらもう一回クリックすると選択が解除されます。ぜひお試しください。

 図形の変更する際に注意すべき点は、図形に意味をもたせることです。先ほど述べましたが、タイトルだから角丸図形といった、統一感が重要です。そのスライドだけでなく、同じファイル内ならすべて角丸図形でタイトルを書くようにしてください。統一感を出すと、見る側は自然と角丸図形を追うようになり、そのスライドのタイトルと認識します。同様に、配色や装飾も統一感が大切です。

 図形描画で、意外と使われていないがインパクトのある装飾としては、があります。図形を選択した後、図形描画のツールバーの右端から2番目にある影のボタンをクリックし好きなものを選びましょう。細かな設定については、影のボタンの中にある「影の設定」をクリックすると、影専用の設定ツールバーが表示されますので、影のサイズなどを設定して下さい。

 さて、図形の色、線種や影を変更するのに便利な方法があります。先ほどの複数選択を利用して複数選択した後に、[書式]-[オートシェイプ]で変更する ことも可能ですが、おすすめは「書式コピー」。まず、ひとつの図形で色や線種・影を変更しておきます。完了後、その図形を選択してから標準ツールバーの真 ん中ぐらいにある書式コピー(刷毛のマーク)をクリックすると、カーソルに刷毛のマークがついた表示になります。同じ装飾に変更したい図形をクリックすると、同様に変更されます。色はもちろん影も設定されます。複数の図形を変更したいときは、元の図形を選択した後、書式コピーをダブルクリックすると、連続で図形
の装飾を変更できます。終了は[ESC]キーを押してください。
 

 最後に[Shift][Ctrl][Alt]キーの使い方を。
 先ほど述べましたが、複数選択では[Shift]を使います。図形を微調整で移動したいならば、図形を選択した後、[Ctrl]キーを押しながら矢印キーで実行できます。また、図形の端部を選んだ後、[Alt]キーでドラッグするとグリッドにぴったりあわせることができます。さらに[Shift]キーを押しながら、四角や円を書くと正方形や正円が描けます。既に書いた図形を[Shift]キーを押しながら拡大縮小すると、縦横比を維持したまま、拡大縮小が可能です。
 この3つのキーを使いこなすと、作業効率は格段にあがります。

 今回紹介した操作は、それぞれは小さな技ですが、組み合わせると大きな力になります。ぜひ、使いこなしてください。