ちょっと小粋なパワーポイント操作(その8)

 小粋なパワーポイント操作も、とりあえず今回で一区切りです。最終回は、かのソフトとの連携についてお話します。

 

講演やプレゼの構想を練るときは、全体像をつかみながら大項目を書き出し、そこに箇条書きで内容を連ねることからはじめます。この際、パワーポイントでいきなりはじめるより、ワードで書くほうがまとまって見やすくなります。そこで、ワードである程度作りこんでから、パワーポイントへ移し、装飾を施したり図形表現に置き換える手法がおすすめです。

 では、作業を見ていきましょう。
 まずはワードで文章を考えます。メモ帳的な使い方をするので、文字装飾や段落などは不要です。また、各ページのタイトルになるものも意識的に文章にしてください。箇条書きの行頭文字として・(中点)を入れるとあとで削除するはめになりますので、入れないようにします。

 文章が出来上がったら、スタイルを設定します。まずは、全体を選択(Ctrl+A)してから、書式設定ツールバーのスタイルを標準から見出し2に変更します。これで全部が見出し2のスタイルになりました。次に、各ページのタイトルにあたる行を選択し、スタイルを見出し1に変更します。内容にあたる箇条書きの中で、さらに細目になるものは見出し3へと変更してください。これで準備が完了しました。
 最後に[ファイル]?[送信]?[Microsoft Office PowerPoint]をクリックしましょう。パワーポイントが自動的に起動して、ページを作りながら、各項目を作成してくれます。あとは、デザインを選び、全体の装飾を変更した後に見栄えの修正を加えていけば、プレゼ資料ができあがります。

 少し長めの発表や講演を行う際には、この方法を覚えておくと便利です。また、ワード文書はプレゼのテンプレートとして作っておくと、考えをまとめるときにも重宝します。

 次に。既にあるパワーポイントを元に簡単な概要資料をつくるときは、ワーポイントの文章をワードに送ってから書式を整えると、1?2枚のわかりやすいまとめ資料を作成できます。

 作業手順としては、対象となるパワーポイントを開いてから、[ファイル]?[送信]?[Microsoft Office Word]をクリックします。ダイアログボックスでいくつかの送信方法が選べます。今回は文章だけもらえばいいので、[アウトラインのみ]を選択して[OK]をクリック。これでワード側に文章が転送され、先ほどと同
様のスタイル設定がされています。図形表現で説明している箇所は転送されませんので、加筆が必要です。

 最後に、パワーポイントと他ソフトとのデータの貼付に際し、注意点をいくつか説明します。

 パワーポイントで書いた図形を、エクセルやワードで使いたい場合。大抵の図形は問題ありませんが、テキストボックスは少々注意が必要です。実は、パワーポイントでは文字を任意の角度に回転できるのですが、エクセルやワードではできません。ですから、回転させたテキストボックスをエクセルやワードに貼り付けると、図に変換されてしまって編集できなくなります。
 [形式を選択して貼り付け]で[MS Office 描画オブジェクト]を選び貼り付けると、枠は回転しますが文字の回転が解除されてしまいます。文字回転を行った図形を貼り付ける場合は、どちらにするかを考えてから使うようにしてください。

 次にエクセルで計算した表を、パワーポイントに貼り付けたい場合。このときは、式がなくなって数値だけが残りますので、計算しなおしたい時は、もとのエクセルファイルで計算を行った後、再貼り付けをすることになります。どうしても式を残したい場合は、[形式を選択して貼り付け]-[ワークシートオブジェクト]で貼
り付ければ、エクセルを埋め込んだ状態で貼り付けできます。
 ただし、データ量が増えますので、ファイルサイズに注意して必要最小限にすることをおすすめします。