今回のテーマは、リンクの設定です。これを使っている人は意外に少ない気
がしますが、いろいろなシーンで使えます。具体例とともに使い方を紹介します。
まず、基本操作です。リンクを貼りたい文字を範囲指定してから、[挿入]メニューの[ハイパーリンク]をクリックしま す。出てきたダイアログボックスの左にある4つのリンク先から1つを選び、リンク先を設定します。この中でよく使うのは、一番上の[ファイル、Webペー ジ]でしょう。次に使用頻度が高いのは[このドキュメント内]で、残りの[新規作成]や[電子メールアドレス]はあまり使わないと思います。
ちなみに、[新規作成]はリンク先をこれから作ろうとする場合に使い、[電子メールアドレス]はメールソフトを起動すようにするもので、あて先と件名をあらかじめ登録できるようになっています。ワードなどの文書の問い合わせ先として設定するのに使えそうですね。
では、リンク先に4つのケースを想定して話をすすめます。
1.Webサイトへのリンク
まずは、Webサイトへのリンクです。メニュー名が「ハイパーリンク」とあるように、使い方として最も多いのが、Webサイトへのリンクでしょう。発表の際に参考にしてほしいWebサイトがある場合や、商品紹介をWebで既に行っている場合などにリンクをはっておくと便利です。ただし、インターネットに接続できる環境が必要です。
※ワンポイント
1の場合は、インターネット環境がない場合も想定して、あらかじめ保存しておいたイメージを別途リンクさせておくのも有効です。この際に◆などの記号にリンク先を設定しておくと、使い分けできて便利です。
2.他アプリケーションソフトへのリンク
参考資料や詳細情報をエクセルやワードで作成した場合、わざわざパワーポイントに変換するのではなく、そのままリンクをはって見せる場合に使います。帳票のイメージや複雑な表・グラフなど、ワードやエクセルのほうがわかりやすいものに利用します。ただし、リンク先のファイルが違うフォルダにあると、リンクが絶対参照(ドライブ名・フォルダ名がはいる)になり、パワーポイントを他のパソコンにコピーする際にリンクがはずれたり、リンク先ファイルをコピーし忘れたりすることがあるので、できるだけパワーポイントと同じフォルダにいれるようにします。
3.他パワーポイントへのリンク
上記と同様ですが、違う点がひとつ。それは、リンクしたいファイルのはじまるページを操作できることです。リンクをはりたいパワーポイントを選んだ後、右にあるブックマークというボタンを押すと、リンク先ファイルのスライド番号が表示されます。そこから最初に始めたいスライドをクリックし、[OK]をクリックすると設定が完了です。
テーマごとにつくったパワーポイントをまとめて発表する際に、ひとつのファイルにまとめようとするとスライドの配色や文字サイズの調整で大変です。そこで、タイトルとテーマ名だけ書いたファイルを作り、そこから各テーマファイルへのリンクをつなげば簡単です。スライドーショーで説明している時にリンクをクリックすると、リンク先もスライドショーの状態で表示されますので、違和感無く説明を続けられます。
4.ほかのページへのリンク
上記1?3は[ファイル、Webページ]を使いますが、これは[このドキュメント内]をクリックしてから使います。
使用例を挙げると、ひとつのパワーポイントにプレゼ用と質疑回答用のスライドを用意しておいて、プレゼ終了後、質問があった場合に該当するスライドをリンクから呼び出す。概要説明と詳細説明をわけておき、プレゼの時間に応じて、リンク先を呼び出して説明量を調整する、などがあります。
注意点としては、(1?3はリンク先を終了すると元のスライドに戻りますが)このリンク先で終了すると元のスライドも終了してしまいます。必ず元に戻るリンクを作っておきましょう。
リンクに関する相談としてよくあるのは、文字色がハイパーリンク用に変わるので読みにくいことです。これを防ぐには、2つの方法があります。
ひとつは、リンクをはりたい文字の横などに◆などの記号を入れておき、これにリンクをはること。これならば、記号しか色が付かないので見た目にはあまり影響がありません。
もうひとつは、スライド配色を変更する方法。具体的には[書式]?[スライドのデザイン]をクリックをクリックし、右に出てくる[スライドのデザイン]作業ウィンドウの上にある[配色]リンクをクリックします。その後出てくる[配色]ウィンドウの下に、[配色の編集]リンクがありますので、これをクリックしてください。でてきた[配色の編集]ダイアログボックスの[ユーザー設定]タブをクリックすると、配色の変更が出来ます。[強調とハイパーリンク]欄をクリックして[色の変更]ボタンをクリック、好きな色に変更した後、[OK]ボタンをクリック。最後に[適用]ボタンをクリックすれば変更完了です。すべてのリンク色が変わります。ただし、アンダーラインは消えません。
最初のほうが簡単なのでおすすめです。