データのバックアップ(その3)

 前回までネットワーク型ハードディクスやオンラインストレージなど外部の固定ディスク系に保存する話をしてきましたが、バックアップの基本アイテムと言えば、やはり、リムーバブルディスク、カートリッジディスクと呼ばれる取外しが可能な記憶媒体です。今回はリムーバブルディスクの取り扱いについてお話します。

3.バックアップしたものをきちんと管理する。

 さて、バックアップする際にどのような記憶媒体を使っていますか?代表的なものとして

 ・FD 640KB?1.44MB
 ・MO 128MB?1300MB
 ・CD?R、RW 640MB?700MB
 ・DVD±R、±RW、?RAM 4.7?17.0GB
 ・BD 25GB?50GB

があります。これ以外にもテープ系があるのですが、今回は割愛します。これらのメディアでコピーした後どうしていますか。「大事に保管してある」「倉庫に入れっぱなしかな」というような話がほとんどだど思います。そこで3つの視点で確認してみましょう。

(1)定期的に読み出せるかどうか確認していますか?

 「大事に入れてあるからさわってない」「取った後は、あけたこともない」なんて声が聞こえそうですね。バックアップはもしものときに読み出せなければ意味がありません。しかし、定期的に読み出し確認をするルールを決めている話を聞くことはほとんどありません。実際、私も久しぶりに読もうとして読めなかった経験がなければこんなことはあまり考えなかったかもしれません。つまり、記憶媒体は適切な管理をしていたも読み出せない場合があるということを忘れずに大切なものは定期的に確認する必要があるのです。できれば、1年に1回、最低でも3年に1回程度は確認することをお勧めします。枚数が多い場合は、読み出し確認の間隔を重要度に
応じて分けることで負担を減らすことも検討しましょう。

(2)そのメディアを呼び出せる装置・ソフトがありますか?

「え?!昔のFDなんで、NECのPC98シリーズしか読めないかも」「そもそも、最近FDドライブなんて搭載してないし・・」「MOドライブ捨てたかも」冗談のように聞こえるかもしれませんが実際に私のところにメディアの中身を見てほしいと相談してきた方もいます。特に古いデータの場合は、それを見ることのできるソフトがなくて見れなくなることをあります。そのため、保存する際に特殊だと思われるデータ、たとえば技術計算ソフトの入力データなどは、テキストデータで保存するとか、計算結果をPDFファイルにして一緒に保存するなど、将来の呼び出しを考えて保存するこ
とも考慮する必要があります。また、ドライブも内蔵型でなく、外付け型を用意しておくといいでしょう。パソコンが古くなってつかえなくなってもドライブを新しいものにさしなおすだけですむからです。今ならUSBタイプのものがおすすめです。上記であげたメディアのドライブ製品はどれもありますし、最近出始めているUSB3.0でも下位互換性は維持していますので、新しいパソコンがでても対応ができると思います。

(3)バックアップメディアの乗り換えをしていますか?

 上記でいくら読み出し確認を定期的にしたり、ドライブを整備してもいつかは読めなくなるという可能性はあります。熱や湿気などにより保護膜が劣化したり、小さなほこりで傷がついたりするからです。当たり前のことですが、意外とこの事実を意識せずに倉庫の奥にしまいっぱなしのことが多いのではないでしょうか。大切なデ
ータと思われるものは定期的に新しいメディアにコピーしなおすようにしましょう。たとえば、CD?RならばBD?R2層に焼きなおすとすると、なんと、50GB÷0.7GBで約70枚が1枚に収まることになります。DVD?Rだと6.5枚分を1枚にできま
す。管理枚数が少なくなる上に保管容量も減るのでとても助かると思います。せっかく読み取り確認をするのであれば、その際に新しいメディアにコピーしておき、古いメディアはその次の読み取り確認時に新しいメディアの読み取り確認後破棄するといったルールを作っておくといいでしょう。

 バックアップは大切ですが、そのバックアップしたものをきちんと管理することも大切であることを忘れないでください。

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