データのバックアップ(その2)

 前回は、最近増えてきているネットワーク型ハードディスクの共有機能を使ったバックアップについての注意点をお話ししました。一般的でかつコスト的にも最も選択しやすいバックアップ方法だと思います。また、ネットワークを介することで違う場所に置けるため、同じコンセントから電力がとる必要がなくなり、電圧不足などに悩ませる心配も減ります。とはいえ、同じビルもしくは事務所内なので、地域自体が地震等の災害になった場合などは救える方法がありません。そこで、ネットワーク型ハードディスクの次のステップがオンラインストレージです。

2.オンラインストレージを上手に活用する

 オンラインストレージとは以前お話ししたようにインターネットなどを介して別の場所にあるハードディスクをあたかも自分のハードディスクのように利用するサービスです。接続方法としては

 ・専用線をつかうもの
 ・VPN(仮想専用線)をつかうもの
 ・インターネットをそのまま利用するもの
 ・インターネットを暗号化してつかうもの

などいくつかの種類があります。また、利用方法として

 ・専用ソフトを入れることでドライブや専用フォルダのように見せかけるもの
 ・専用ソフトが常駐して、定期的に特定フォルダの同期をとるもの
 ・ブラウザにアドインを組み込んで、アップロードやダウンロードを行うもの

があります。安全便利でかつ容量が多いものはどうしても利用料金がかかりますが、その中でもこれは便利でいいと思われるものを2つ紹介します。

(1) DropBox

 アメリカのEvenflow社が運営するオンラインストレージサービスです。2GBまで無料で使えます。個々の最大の魅力は専用ソフトによってファイル同期が簡単にできることです。具体的には、まずDropBox のサイトからソフトをダウンロードしてインストールします。その際に初めての場合は会員登録を行う必要があります。無料
なうえに名前、アドレスとパスワード、コンピュータ名と簡単な記入です。ただし、英語表記なのでがんばってください。インストールが終わるとマイドキュメントの中にMy DropBoxというフォルダができます。そして、タスクバーの右側に箱のアイコンができます。これで準備は完了です。あとはこのフォルダに保存したいファイルを入れるだけです。入れた瞬間に自動的にソフトがインターネットに接続して、同期をとってくれます。もちろん、もともとパソコンの中のフォルダなのでそのままそこで編集することも可能です。上書き保存をした瞬間に同期をとりに行ってくれますので自動保存機能を編集ソフトに設定しておけばほぼリアルタイムにバックアップが可能になります。さらに他のパソコンに同じソフトを入れるとそこでも自動的に同期をとってくれます。現場のパソコンと事務所のパソコンで同じファイルを持っていたいときにはとても便利です。また、インターネット上にもありますのでバックアップとしても機能します。これはパソコンを持っていなくてもインターネットに接続できる環境があれば、どこでもファイルを取り出すことができます。さらに、ファイルの編集履歴ももっていて、過去に編集したものを復元するなんていう普通のハードディスクでも実現できない機能もありますがこの辺は少し勉強してから使ってみてください。2GBもあれば、USBメモリを持ってあっちこっちを渡り歩く必要もないし、途中で紛失する心配もありません。複数の場所で同じファイルを使いたい方はぜひ試してみてください。

(2)SkyDrive

 マイクロソフト社のオンラインストレージサービスです。25GBと大容量が無料で使えるのでバックアップ先としては最適です。ただしDropBox のように同期をとってくれるソフトは残念ながらありません。代わりにSkyDriveExplorerというソフトをつかうと新しいドライブがパソコン上にできます。そこにドラッグ&ドロップするだけでバックアップが取れるようになるのが便利です。頻繁に編集するものをバックアップするのには向きませんが、参照用や過去資料を保存しておくにはとても有効だと思います。共有のIDを使えば、会社専用のライブラリサイトとして使えるかもしれません。

 もちろん、インターネット上なので一定のセキュリティは行われているもののの漏えいの確率は確実に上がります。機密情報的なものはもちろんのこと、漏洩によって被害が大きくできるようなものはできるだけ保存しないように心がけましょう。そこさえ注意すればかなり快適なバックアップとファイル共有環境を得ることができます。ぜひお試しください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする