以前、データのバックアップについて4回にわけてお話をしました。どちらかというと現場全体といった形でお話をしました。そこで今回は個人ベースでのバックアップを取り上げます。
(1)写真
まず、個人で何が一番大事でしょうか。東日本大震災でも被災地で貴重品と同様できるだけ被災者の方に渡そうとしたものがあります。それは写真です。プライベートの写真はもちろんですが、工事用写真でも二度と取れないものが少なくありません。参考や念のために個人で撮影したものがあると思います。私がハードディスク等のトラブルで復旧の相談を受けるとき、最初に言われるのが写真だけでも何とか復旧したいという言葉です。それだけ皆さんの中での位置づけが多いのです。以前と違って、フィルム写真ではなくなり、デジタル写真になった結果、より写真のバックアップが重要視されています。
対策としての一番は、オンラインストレージの活用でしょう。特に昨年から日本語化されたSugarSync は5GBも無料で使えるうえにバックアップの対象フォルダを設定することができます。もう一つ無料で2GBを使えるDropBoxを使えば7GBまでバックアップを気にせずに作業をすることができます。
これでも容量が不足な人はSkyDriveなら25GBですし、フォト蔵のような写真専用で1か月1GBまでの制約はありますが全体容量の制限がないようなサービスを活用しましょう。これらはアップロード操作を手動で行う必要があるのですが、日ごろはSugarSyncやDropBoxでたまってきたら、SkyDriveやフォト蔵に移せばいいと思います
(2)メール
もう一つ大事だといわれるのがメールです。もちろん、写真同様メールフォルダをSugarSyncのバックアップ対象にするという手段もありますが、一番のおすすめはG-Mailです。
Googleが提供しているG-Mailは容量として7.5GBもあります。よほど添付ファイルを大量にやり取りしない限り数年は楽にバックアップがとれる容量です。添付ファイルが少なければ、十年以上でも十分大丈夫でしょう。
バックアップ方法はG-Mailの機能の中にあるPOP3を使用したメッセージの確認(Mail Fetcher)というものを使います。これは、ご自分が使っているメールアドレスの設定をG-Mail内で設定することで定期的にメールサーバーにアクセスしてG-Mail側にも受信してくれるものです。
常時メールソフトを立ち上げているのであればわかりませんが、1時間に一回程度なら、G-Mailのほうが先に受信しているので、バックアップとして使うことができます。さらに細やかな設定をすれば、G-Mailを自分のアドレスのWebメール機能として使うこともできます。
こちらもSugarSync と同様、一度設定すれば、バックアップを意識することはありません。
(3)そのほか
最近は業務用データはほとんど共有サーバーにいれて管理することが多いため、上記のような写真・メール以外は比較的個人のパソコンに入れていないケースが多いようです。それでもあえてこれはバックアップしたほうがいいとも思うものはアドレス帳とお気に入りです。ほかにもデスクトップ上の一時作業ファイルやマイドキュメントなどもほしいところかもしれません。
これらは、(1)で紹介したSugarSyncで対象フォルダにするのがおすすめです。気を付けたいのは写真はとても容量が多いので、定期的に保存データ量をチェックして、容量オーバーにならないようにすることです。それもめんどくさいという方は有料にすることで容量を増やすことができます。
備えあればうれしなし。今日からでも上記の設定をしたらいかがでしょうか。