データのバックアップ(その4)

 前回、バックアップしたものを利用するという視点に立った時に確認すべき事項について以下の3つをお話ししました。

(1)定期的に読み出せるかどうか確認していますか?

(2)そのメディアを呼び出せる装置・ソフトがありますか?

(3)バックアップメディアの乗り換えをしていますか?

この点を意識したうえで、バックアップのとり方を考えてみましょう。

4.バックアップルールの策定と見直し

 バックアップルールを定めていますか?たぶん、バックアップをとるタイミング、範囲を漠然と決めているのではないでしょうか?でも、心配だからかと言ってとればとるほど、バックアップ時間はたくさん必要となり、必要な容量はすごく増えます。無駄な作業と容量を減らすためにもいくつかのポイントを忘れずにルール化しましょう。

(1) バックアップの保管期間

 バックアップはもしもの時のためのものです。しかし、パソコンを買い変えたり、OSをバージョンアップすることで使えなくなるデータが出てきます。つまり、バックアップがバックアップの意味をなさなくなるのです。大事なことは、いつまでそのバックアップをバックアップとしてとっておくかということです。以前、電子データ作成ルールを紹介した際にも説明しましたが、どこにだれがいつまでをしっかりルールに入れておく必要があります。

(2) バックアップのとり方

 基本的には、全データをとるフルバックアップと前回バックアップをとった日から今までの更新データのみとる差分バックアップの組合せとなります。これをどのタイミング(毎日、毎週、毎月)でとるか、メディアとして何を使うか(ハードディスク、オンラインディスク、リムーバブルメディア)を考えていきます。ある程度は冗長性をもたせ、2重化図ることが大切ですが、どちらが最新なのかわからなくなるのは論外なので、必ず主たるメディア、手法と副とするメディア、手法をわけるようにしましょう。組み合わせることも大事です。同じメディアで全部とるのではなく、複数のメディ
アとることでバックアップの際のデータ欠損をふせぐことができる場合もあります。(たまに知らないうちにデータコピーが失敗していることがあるのです)

 また、データの重要度も考慮し、データのバックアップ頻度を分けるようにしましょう。そのためには、データ管理の段階で重要度に応じたフォルダ分類ができていないとだめだということがわかりますよね。つまり、バックアップと言っても、データを管理する段階からきちんとそれを意識していないと無意味で無駄なバックアップをすることになるということです。

(3) ルールの見直し

 最初にお話ししたように、バックアップの対象となるデータが復旧しても意味がない状態(ソフトがない、データが古くて価値がない)になってもとっておくことは意味がありません。つまり、適宜バックアップ範囲を見直す必要があるということです。また、新しい手法が出てきて効率化アップした場合も同様です。しかし、バックアップ手法が変わったものが出てきたといっても意識的にその時期を決めないとついつい従来手法に頼ってしまうのも事実です。1年ごと、3年ごと、5年ごとと一定の周期を決めて、ルール全体を見直す時期を決めておくことが大切です。

 バックアップは日頃は無駄な作業と思われがちですが、もしものときはこれほどありがたいと思うものはありません。できるだけ手間を少なく、もしもの時の復元を確実に行えるようルールをきちんと作成し、見直しを忘れずにしましょう。

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