デジタルカメラの画素数

 今回は、デジタルカメラです。「そんなもの知っているよ」とおっしゃる方が大半だと思います。今やフィルムカメラよりも売れており、小さい子供にとっては「カメラはとったらすぐ画面で確認できるもの」というのが常識です。昔では考えられなかったことですね。
 携帯電話にだけでなく、カメラは小さいパソコン、PDAと呼ばれる携帯端末にまでつくようになりました。

 しかし、その歴史はとても浅いのです。一般的に知られるようになったのは1995年3月に発売されたカシオのQV10ではないでしょうか。それ以前にもデジタルカメラはありましたが、数十万円以上するプロ用ばかり。V10は定価65,000円で25万画素、メモリカードも内蔵していないものでしたが、当時は画期的な安さだったのです。それから9年後、今や携帯カメラでさえ300万画素になり、トイカメラ(子供用のおもちゃカメラ)はQV10と同等の機能で数千円で購入できます。驚くべき進化ですね。

 ご存じない方のために画素数のご説明をしておきましょう。
 画素数とは、簡単に言うとデジタルカメラが撮影できる点の数です。デジタル写真はたくさんの点で構成されています。全体を見ているとわかりませんが、写真をパソコン等で拡大してみると点の集まりであることが分かります。 画素数が多ければ多いほど細かいところまで撮れますし、印刷する際に大きく引き伸ばしても鮮明になります。しかし、1枚1枚の写真データのサイズは大きくなり、保存も編集も印刷も時間がかかります。

 建設業での利用は、1999年8月に出された建設省の「デジタル写真管理情報基準(案)」ぐらいから本格的になってきたと記憶しています。最初の基準では「80万画素以上」でしたが、最新の基準(2004年6月)では「100 万画素程度」となっています。これは「画素数を上げると細かくはなるが、保存容量が大きくなるし管理しづらい。よって、100万画素程度でよろしい」ということなのです。

 100万画素を一番近い記録画素数であらわすと

  1.縦1280×横 960(約 122万画素)
  2.縦1024×横 768(約  80万画素)
 
になります。これは、パソコンの画面が4:3で表示されるのを踏まえてこのようなサイズになっているのです。ちなみに2番のサイズはXGA サイズといって一般的なデスクトップ画面や大型ノートパソコンでの最大表示と一致します。
 ただし、印刷するとなるとこのサイズはいま一つです。ご存知のようにL版は127mm×89mmですので、1.422:1 となります。先ほどのサイズが1.333:1ですから、横幅を残すなら縦をカットしないと印刷できません。もちろん、デジタル写真管理では無理にLサイズで印刷する必要はないのですが、縦横比が違うことを覚えておくとよいでしょう。

 また、データ容量も注意が必要です。 JPEG (画像の保存形式の1種)の圧縮率が1/8とすると、

 1.縦1280×横 960(約 122万画素) → 460KB
 2.縦1024×横 768(約  80万画素) → 295KB

となり、2.のサイズでフロッピーディスクに4枚しか保存できません(1.のサイズだと3枚)。最近のデジタルカメラは 500万画素なんてのも出ていますが、これだとフロッピーには保存できません。画素数が大きければいいというのではないことを理解してください。 

 実際には500万画素のカメラでも上記のサイズで撮れる設定がありますので、用途に応じて使い分けるようにすれば問題はありません。おすすめは、次の2種類です。
 
 1.詳細なものを撮ることを考えて、300万画素以上のカメラ。
   ただし画素数の切り替えで上記サイズが撮れるもの。

 2.150万画素で操作が簡単なもの。

大きな現場、あるいは複数現場で使用する場合は、1.のカメラをお勧めします。

現場が小さかったり、できるだけ多くの社員にデジタルカメラを購入するのであれば2.のカメラがよいでしょう。最初から最新機種の画素数の多いカメラを買っても、結局宝のもちぐされになるので注意が必要です。
 次回は撮影時の注意事項を中心に話していきます。

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