デジタル写真管理の注意点

 以前、G005 デジタルカメラの注意事項で準備と撮影の際の注意事項をお話しました。その際のポイントは以下の7点です。

 1.準備編
  ・電池の予備は忘れずに
  ・メディアの中をチェックする。
 2.撮影編
  ・フラッシュの光量に気をつける。
  ・黒板の字は丁寧に大きく
  ・水気・ほこりに要注意
  ・2枚撮り
  ・状況写真は同じアングルで撮る

 5年前の話だったのですが、今では電池も長持ちし、メディアの容量が大幅に増え、カメラ自身も防水機能をもち、高解像度になったので、上記の注意事項もだいぶ心配しなくてすむようになってきました。今の若い方ならフィルムカメラ自体を扱ったことがないかもしれませんね。電子納品の中で一番進んでいるのがこのデジタルカメラを使った写真管理です。

 しかし、簡単にとれるがゆえに基本的なことを見落としていたり、デジタルカメラならではの注意事項があることがわからなかったりして、納品の際にトラブルになっていることがあります。今回はその中でも特に注意していただきたい5点を紹介します。

1.写真の日付
 フィルムカメラ時代には意図的にしない限り、フィルムに日付は記録されませんでした。しかし、デジタルカメラはファイル作成時に必ず撮影日付が記録されます。ここでよくあるミスが日付の間違いです。特に購入時に説明書もよまずにすぐに使う人や電池の入替時に修正しなくてはいけないことを忘れたりするケースが多いよう
です。困るのは電子納品システムによっては着工前日付はそもそも受け付けないといった仕組みのものもあるので、せっかく撮った写真が使えなくなる場合があるということです。

2.画素数とファイルサイズ
 これもフィルムカメラではなかったことですが、デジタル写真管理では画素数やファイルサイズが決められています。特にNEXCO(旧道路公団)では上限値と下限値が決められているので事実上特定サイズの画素数以外は納品できません。これも知らないと後でとんでもないことになるのはいうまでもありません。また、最近の
デジタルカメラは高性能なために電子納品に最適な画素数でとれないものも出てきています。(高い画素数の組合せだけで低い画素数がない)。該当する写真管理基準をよくよみ、基準に合ったカメラを準備してください。画素数は多いほうが細かいところまで読み取れますがファイルサイズの拡大はバックアップや納品時の妨げになります。やみくもに最大でとるのではなく、状況写真は最低画素数、品質管理や出来形管理は最大画素数と使い分けることが大切です。

3.Exif情報
 デジタルカメラの写真データには、撮影日やシャッタースピード、絞りなど撮影情報を記録するExifというものが埋め込まれています。改ざんやファイルサイズ変更などを行うとこの情報が壊れたり欠落したりすることがあり、一種の改ざん防止の役割を担っています。しかし、改ざんしてないもかかわらず、電子納品チェックソ
フトでうまく認識してくれずにエラーがでることもあります。カメラ購入はもちろんのこと、施工中も定期的にチェックソフトをかけて確認することをお勧めします。

4.フラッシュ
 最近のデジタルカメラは高感度にもなっており、少々の暗がりでも鮮明に移るようになって来ました。しかし、そのことをあまり考えず、フラッシュ撮影をしたために、対象物が白くなってよくわからない写真ができてしまうことがあります。撮影後すぐに確認すればいいのですが、忙しさにかまけてついつい忘れがちになっている
ようです。撮影後にすぐ確認できるのがデジタルカメラの最大のメリットです。(フィルムカメラは現像するまでわかりません)絶対に撮影後の確認は忘れないようにしてください。また、高感度を利用すればフラッシュが不要なケースも増えてくるはずです。フラッシュのオンオフを使い分けることも意識しましょう。

5.オリジナルデータ

 最後に上記の注意事項を怠ったために大事な写真が納品できないことがあります。もちろん、デジタルデータなので特殊なソフトを使うことでかなりのことは修正きます。しかし、それは必ず発注者の許可を取って正々堂々とやりましょう。できれば、納品物とは別にオリジナルデータだけのものも用意し、改ざんが止むを得ないことでかつ品質や出来形上問題ないものであることがわかるようにしておきましょう。不用意なミスをないしょで改ざんするのが一番よくないことだと思います。

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