営業管理(その4)

今回も営業管理についてお話しします。今回は顧客管理についてお話しします。

3.顧客管理

顧客管理とは、顧客情報や取引履歴を収集分析し、長期的な関係を気づくための仕組みづくりです。

顧客情報とは、顧客に関する属性と取引履歴の両方を指すことがありますが、ここでは属性のほうを指すこととします。具体的には名前や連絡先、企業担当者なら所属や役職、一般の方なら生年月日や家族構成、趣味など情報としては多岐にわたります。連絡先でも電話、携帯電話、FAX、PCメール、携帯メールと様々な手段を把握しておくことが望ましいです。また、携帯メールなどはよく変わる方もいますので、定期的に確認をする仕組みも必要です。

もちろん、発注者が企業の場合は企業そのもの(なんてったって法人ですからね)の情報を必要です。経営者の状況や従業員数や設備、拠点、組織等の基本情報、売上や営業利益のような財務情報や主な商品もしくはサービス等の事業内容、受発注両方の取引先情報などWebサイトやパンフレット、担当者から入手できる情報はしっかりおさえておく必要があります。

また、顧客間のつながりもとても重要です。どの顧客の紹介でどの顧客がつながっているかとか企業ならどの担当者の後任がどの担当者だったかなども把握していると望ましいです。

公共工事の場合、たいてい3年程度で任期が終わり担当者は変わります。工事が長期間の場合、この間に担当者が変わることは少なくありません。担当者の任期をおさえて、変わる前に工事の変更内容をきちんと反映してもらうか、申送り事項を文面にて残してもらうようにしておかないと、「知らない」「解決したと聞いている」といわれる悲しい結末を迎えることになる可能性があります。

民間企業でも比較的大きいところも同様です。厳しい現実ですが、「なかったことにされる」ことは少なくないのです。担当者が変わったら「リセット」されないよう任期の把握は重要です。

特に企業規模によっては、担当者ごとに「常識」とか「標準」といわれることが異なる場合があります。いわゆる「ローカルルール」が変わることにも敏感に対応できるよう取引履歴で拾いきれない取引条件も顧客情報に反映させておくと工事関係者は助かります。

住宅やリフォームの場合は、既存顧客が新たな顧客を連れてくることも多いです。紹介情報として、きちんと把握するとともに再度紹介側の顧客が工事を依頼するときには何らかのインセンティブを用意しておくことをお勧めします。そのような顧客は大切にすればロイヤリティ(忠誠心)が高くなり、貢献度が増すからです。

取引履歴も重要です。特にリフォームの場合は、1回ですべてを行うことは少なく、工事が複数回にわたります。そのすべてを自社でカバーするには取引履歴から次の対象や時期を予測し、適切な接触を試みる必要があるからです。つまり、取引履歴には既存だけでなく、まだ未着手部分も把握できる仕組みが望ましいです。

取引履歴はできれば、失注情報も入れておくべきです。全戦全敗の顧客先でない限り、何かこちら側の理由で成約できなかった可能性が高いからです。案件管理で得られた失注理由も含めて、次回に活かせるように情報を管理しておきましょう。

いろいろお話ししました、上記の情報を紙ベースで管理するのは至難の業です。ITを活用した仕組みは不可欠です。エクセルやアクセス等で構築してもいいですが、最近は安価で使いやすいシステムがいろいろ提供されています。いろいろ試してみてください。

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