AutoCADとエクセルの連携(その2)

 今回も、ちょっと対象となる方が限定されるかもしれませんが、前回同様AutoCADとエクセルの連携についてお話しします。今回はエクセルの表貼り付けについてお話しします。

 エクセルで作った集計表や部材表などをAutoCADに貼り付るケースは結構あります。しかし、貼り付けた後どうするかでその貼り付け方が変える必要があることを知らない方も少なくないです。

(1) エクセルのオブジェクトとした貼り付ける場合

 この場合は、エクセルで対象範囲をコピーしたのち、AutoCAD側で貼り付けを選ぶだけです。編集は、対象となる表をダブルクリックするとエクセルが起動し、エクセルの機能をフルに使って編集できます。ただし、電子納品には不向きです。

(2) 表オブジェクトとして貼り付ける

 この場合は、エクセルで対象範囲をコピーしたのち、AutoCAD側で[編集]?[形式を選択して貼り付け]をクリックし、その中から「PRODUCT図形」もしくは「AutoCAD LT図形」を選んで貼り付ければできます。これはAutoCAD側の表機能を使って編集ができるものです。列幅や行高さもAutoCAD側でコントロールできるのがメリットですが、表を部分的に取り出すなどはできません。また、これはLT2005以降の機能ですのでLT2004以前では使えません。

(3) 線と文字として貼り付ける

 この場合は、AutoCADのバージョンによって、その操作が変わります。さらにエクセルのバージョンでもメニュー位置が変わるので注意が必要です。

a.LT2004以前

 LT2004以前では(2) と同様にエクセルで対象範囲をコピーしたのち、AutoCAD側で[編集]?[形式を選択して貼り付け]をクリックし、その中から「PRODUCT図形」もしくは「AutoCAD LT図形」を選んで貼り付ければできます。先ほど話したようにLT2004までは表オブジェクトがなかったからです。

b.LT2005以降

 LT2005からは表オブジェクトができるようになったためLT2004と同じように線と文字として貼り付けるにはもうひとつ作業が必要になります。この作業がエクセルの2003以前と2007以降で若干変わります。

b?1.エクセルが2003以前

 エクセルで対象範囲を選んだ後、[Shift]キーを押しながら、[編集]メニューをクリックします。するといつものメニューにはない[図のコピー]というのがでるのでそれをクリックします。オプションメニューが出ますがそのまま[OK]をクリックして、
AutoCAD側で[編集]?[形式を選択して貼り付け]をクリックし、その中から「AutoCAD LT図形」を選んで貼り付けます。(2)と違い、線と文字の貼り付けになったことが確認できるはずです。

b?2.エクセルが2007以降

 エクセルで対象範囲を選んだ後、[ホーム]タブの中にあるコピーアイコンの横にある矢印キーをクリックするとサブメニューが出てきますので[図としてコピー]を選びます。あとは上記同様、オプションメニューはそのまま[OK]をクリックして、AutoCAD側で[編集]?[形式を選択して貼り付け]をクリックし、その中から「PRODUCT図形」もしくは「AutoCAD LT図形」を選んで貼り付けます。

 線と文字の場合はAutoCADの通常機能で編集できますので加工も自在にできますし、電子納品対応としては一番無難な貼り付け方だと思います。ただし、罫線の端部がずれている(切れている)など、貼り付けただけではだめなのは忘れないでください。

 どの貼り付け方を選ぶかはその図面データの活用方法によって、変わってきます。鉄筋表のようなものであれば、最終的な確定までエクセルオブジェクトがいいですし、電子納品や他のCADデータに変換して渡すのであれば、線と文字データにしておくことが望ましいでしょう。状況に応じた選択をできることが重要です。

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