周辺機器の選び方【MO、FDほか】

 前回に引き続き、記憶装置関連の特集です。今回は、MO、FDほか様々な記憶装置のお話をします。

 

まずは、MOです。Magneto-Optical diskの略で光磁気ディスクといいます。読み書きを行うデータ交換に最も使われている記憶装置。サイズは5インチと3.5インチの2種類があります が、一般的に認知度が高いのは3.5インチのほうでしょう。容量は、128MB、230MB、540MB、640MB、1.3GB、2.3GBの5種類で す。みなさんが主に使われているのは、230MBか640MBです。640MBはCD?Rとほぼ同容量なので、電子納品に際するデータのバックアップや、 データ量が増えやすいCADデータの交換によく使用されます。

 次は、FDです。Floppy Diskの略です。
 フロッピーディスクはみなさんご存知でしょうが、実はたくさんの種類があります。例えば、サイズでは、8インチ、5インチ、3.5インチと3種類。ま た、3.5インチ一つとっても、よく使われる2HD(1.44KB)、D(720KB)のほか、SuperDisk(120MB)や HiFD(200MB)などもあります。また、2HDでもNECのPC?98シリーズはフォーマット形式が異なり、1.2MBになります。安価ですが、CADデータや高性能デジタルカメラ写真などでは容量不足になるため、使用頻度は減 少傾向にあります。最近のノートパソコンでは、標準でFDD(フロッピーディスクドライブ)がつかないものが多くなってきました。

 FDに変わって主流になってきたのがフラッシュメモリ。フラッシュメモリとは、データの消去・書き込みが自由にでき、電源を切っても内容が消えない半導体メモリです。
 今まで説明してきたCD、DVD、MO、FDでは、円盤状のものが回転して読み書きしていましたが、フラッシュメモリはカード型で、そのまま書き込むこと ができるのです。駆動系(回転のためのモーター等)が必要ないため、消費電力が小さく、壊れにくい特徴を持っています。大きく分けるとUSBメモリと各種 メモリーカードに分類できます。

 USBメモリは、その名のとおりUSBに直接つないで読み書きを行える記憶装置です。形状はいろいろですが、スティックタイプ(棒状)のものが多いです。容量も64MB?2GBまであり、今まで紹介したものに比べて小さく携帯性にすぐれています。

 メモリーカードは、デジタルカメラや携帯電話、携帯情報端末に使われている記憶装置です。サイズも切手半分から2枚分程度の大きさ。容量は 32MB?1GBまであり、128MB、256MBあたりがよく使われています。こちらは規格が乱立しており、下記のような種類があります。

 記憶メディア名    開発会社
 コンパクトフラッシュ SanDisk社
 MMC          Siemens社とSanDisk社
 RS-MMC        SanDisk社
 SDメモリーカード   SanDisk社、松下電器産業、東芝
 miniSDカード     SanDisk社
 スマートメディア   東芝
 xDピクチャーカード  オリンパス光学工業と富士写真フイルム
 メモリースティック  ソニー
 メモリースティックPRO ソニー
 メモリースティックDuo ソニー
 メモリースティックPro Duo ソニー

 どれを選ぶかは、お使いのデジタルカメラや携帯端末により異なります。基本的には、どれでも対応できるカードリーダーなら安心でしょう。リーダーは数千円で購入可能ですし、最近のパソコンには何種類かのリーダーがついている場合もあります。

 フラッシュメモリは、その前に紹介したCD、DVD、MO、FDと比べると高価です。よって、データ交換用というよりは個人が現場と事務所で電子データを持ち運んだり、携帯端末のために使うといった用途が主です。

 上記以外にも、QICやDDS、DLTといったテープメディアがあります。(あまり一般的ではないので今回紹介はしません。)大容量ハードディスクをバックアップする場合などは、検討の余地があるでしょう。

 このように乱立している記憶装置ですが、電子納品では、データ交換にMO、納品物にCD?Rを指定するのが一般的です。この2つが読み書きできる環境を整えておくことが最低条件となるでしょう。