前回に引き続き、エクセルのPower Pivotについて紹介します。
前回はグラフの話をしましたが、今回はピボットテーブルとの大きな違いとなる複数のテーブルを組み合わせた集計ができる点についてお話します。
リレーション
複数のテーブルを組み合わせることができるといっても、何もしないで扱えるわけではありません。リレーションというテーブル間の関係を設定する必要があります。
まずは、データモデルにあらかじめ作っておいたテーブルを登録します。テーブルを選んだ状態でPowerPivtタブのデータモデルに追加をクリックします。
これを全部行ったのち、リレーションシップの作成を行うと複数のテーブルの関係性を設定することができます。このため、予め、マスタテーブルとデータテーブルに意識的に分けておくことが重要になります。
ディメンション、ファクト
ちなみに専門用語的にはマスタテーブルをディメンションテーブル、データテーブルをファクトテーブルと呼びます。ディメンションは次元という意味ですが、分析の切り口になる属性が入った情報といった感じですね。ファクトはその名の通り実績なので、実績データを次元データにくっつけて分析できるようにするといった感じなると思います。
この辺りはリレーショナルデータベースの考え方が必要になってくるのでちょっと難しいですが、商品マスタと購買データのような関係性をイメージしてもらえばいいです。
スタースキーマ、スノーフレークスキーマ
あと、1つのデータテーブルに複数のマスタテーブルがくっつく形をスタースキーマといいます。データテーブルを中心に星のように周りにマスタテーブルがくっついている感じです。この形が簡単でわかりやすいので、Power Pivotではお勧めされています。
一方、スノーフレークスキーマというのはがあり、これはデータテーブルにくっつくマスタテーブルにさらにマスタテーブルがくっついている雪の結晶のように見えることからこの名前になっています。こちらは正規化しているのでデータ量を少なくできる分、少し複雑です。
Power Pivotでこのスキーマがダメというわけではないですが、この形になる場合は、もう少し本格的なソフトを使った方がいいかもしれないと思ってください。リレーションはできると便利ですが、やりすぎ注意といった感じです。
◆PowerPivot【01】PowerPivot(パワーピボット)で出来ること
https://jsdg.org/blog/view061/
私も所属している日本システムアドミニストレータ連絡会のブログページです。少し古いですが、わかりやすいです。【01】だけでなく【02】もみてください。
◆リレーション
https://www.quickroutines.com/relation/
PowerQuery & PowerPivotの基本を紹介しているサイトのリレーション解説ページです。それ以外のページも勉強になるので、見てください。
◆Excel のリレーションで発生しがちな3つのエラーと解消方法
https://www.youtube.com/watch?v=t-NrW7UJVZI&t=1s
Excelドカタのリレーションでのありがちなエラーの話とその解決方法の動画です。初心者が陥りやすいトラブルの解説なので、困る前に見ておくことをお勧めします。
◆雑・Excel入門試論 – 脱VLOOKUPの思考 18 パワーピボット
https://qiita.com/spumoni/items/08458978e86dc59f18ed
前回も紹介した雑・Excel入門試論のPowerPivotでのリレーションの解説です。ページ下にほかのページのリンクもあるので、時間があるときに見ると勉強になります。
◆DAX/メジャーでリレーションシップを切り替える
https://qiita.com/msms/items/db4b158489a2c64a6ac1
ちょっと、複雑なリレーションの場合の例です。ここまでやることはないかもしれませんが、こんなこともできるのかという点では知っておいてもいいかもしれません。