エクセルとワード、どちらをよくお使いですか。初心者の方ですとエクセルが多いのではないでしょうか。現場で生産量をまとめる、営業で売上げ予想をたてるなど、数値を使ったものを楽にまとめるためにエクセルを使い始め、そのうち、セ
ルを上手に利用して文章まで書いている人を多く見かけます。
いっぽう、ワードは、日本人の大好きな罫線を多用すると不具合がおきやすい、原稿用紙のように文字がきちんと並ばない(標準設定の場合)などの理由で敬遠されるようです。
とはいえ、施工計画書や論文、報告書など長文を書く場合、ワードはエクセルより便利な部分も少なくありません。今回から数回にわたり、便利にワードを使えるようお話していきます。
まずは、おせっかい機能の解除とインデントの説明です。
「字下げをするとそれ以降も同じ字下げになるんだよなぁ」
「箇条書きの設定になっちゃって、修正がうまくできないよ」
などの声をよく聞きます。
これは、ワードのオートフォーマット機能です。「おせっかい機能」と呼ばれることもあるそうですが、理解していないと便利なようで不便な設定です。ワードに慣れるまでは解除するのがよいでしょう。解除する場所は、[ツー]?[オートコレクトのオプション]です。この中にいろいろなおせっかい機能があり、先ほど問題となっていた機能は、入力オートフォーマットの中です。内容を見れば、どのようなことを自動的に行ってくれるのかが分かりますが、よく分からない人は全部チェックはずしてもよいでしょう。慣れてくると便利なものもありますので、まずはチェックをはずしておき、徐々に増やしていくといいと思います。
このオートコレクトのメニューの中には、入力オートフォーマット以外にも文字修正としてのオートコレクト(字の最初を大文字に変えてしまう等)や定型句(最初の数文字から残りの文字を入力してくれる)などいろいろなものがあります。まずは入力フォーマットから確認し、徐々に他の機能も設定しましょう。
ちなみに、一括オートフォーマットは[書式]?[オートフォーマット]というメューを用いて文章全体を設定するときに使います。初心者のうちはあまり関係ありませんから、無視しても問題ありません。
さて、オートフォーマットをオフにして問題になるのが、インデントの設定(字下げや後ろ揃えなど)とタブの設定(文章途中で字の頭を揃える)設定です。「インデントとタブってよくわからないんだよね」との声がありますが、ワードの機能で一番最初に覚えるべきものと考えます。
インデントとは、段落単位で字下げや文字数制限を行う機能です。具体的にはルーラーと呼ばれる目盛りのところ、左側にある下三角、上三角、右側の上三角のことです。それぞれは、
右側下三角・・・段落一行目の字下げ位置
右側上三角・・・段落二行目以降の字下げ位置
左側上三角・・・段落の右端位置
を決めるものです。実際に文章を入力をした後で、それぞれの三角形をドラッグで動かしてみましょう。文章の字下げが変わることが分かります。(オートフォーマットの字下げは、これを自動でやるものです。)正確な位置で設定したければ、メニューで[書式]?[段落]を選びます。設定はmm単位と文字単位でできます。一行目だけの変更は字下げ(2行目より後ろに下げる)、ぶら下げ(2行目より前にすすめる)の2種類を選んでから、1行目との差で設定します。ちなみにぶら下げは、箇条書きや段落番号のときによく使います。
右インデントはなかなか使う機会がありませんが、文章中で解説などを入れるときに(右を縮めると目立つので)利用できますし、印刷後に図などを張り込む目的で空けておく場合などに役立ちます。(図はスキャナー等で取り込んで貼り付けるほうが理想ですが。)
インデント利用の最大のポイントは、段落単位だということです。ワードを使い慣れていない方は、改行とスペースで文字数を調整されていますが、インデントを設定する際には逆効果です。それは、改行すると別の段落と解釈されるためです。
ワードを使い慣れるまでは、文章を先に打ってから書式を後で設定するのが王道のようです。