ちょっと便利なワード操作(その4)

 今回は、みなさんがあまり気にしていないけれど役に立つという機能を説明します。それはヘッダーとフッターです。ついでにセクションも勉強しましょう。

 ヘッダー・フッターとは、上余白(ヘッダー)と下余白(フッター)にページ番号や日付を表示するものです。あまり利用されていなかったり、使っているのを気付いていない方もいます。
 ページ番号を入れたい場合に[挿入]?[ページ番号]を使えば実行されますが、実はこれもヘッダーやフッターに挿入されているだけなのです。よく初心者の方からページ番号を編集できないとの質問が来るのは、この関係が理解できていないからなのです。

 

ヘッダー・フッターの編集・挿入は、メニューバーより[表示]?[ヘッダーとフッター]をクリックすることで可能です。クリックすると、いつもと違う画面 になることにお気付きでしょうか。文章を表示している部分が薄い灰色になり、上余白と下余白に点線で囲まれた編集領域がでてきます。ここに好きな設定をす ればいいのです。

 ページ番号の編集も、これでできるようになります。ページ挿入だけですと数字だけの簡素なものですが、ヘッダーと フッターのツールバーから定型句を選ぶと、ページ番号の両側に?(ハイフン)を入れたり、ページ/総ページ数の表示も可能です。もちろん直接編集して、 P.1 のように表現することも簡単に出来ます。  さらに、フィールドコードを理解するとより細やかな設定ができますが、少々難しいので今回は省きます。興味の ある方は、Wordの解説本でフィールドコードをご覧ください。

 ヘッダーやフッターに入れるのは、日付やページ番号だけではありません。たとえば、会社名を入れたり、会社ロゴのような画像データも入ります。他社への提案書に、ちょっとワンポイントで入れると好印象かもしれません。

 さらに、この画像データは、文章エリアになっている真ん中にも挿入可能です。たとえば、すかし文字や丸秘マークを入れておけば、文章の後ろから透けてみえるような設定も可能です。もちろん余白部分にも挿入でき、四角枠をヘッダーからフッターにかけて大きく挿入すると、あっという間に枠付の用紙ができます。計算書や計画書の枠を、罫線で代用する方もいますが、各ページに毎回設定しなくてはならない上に、罫線の制約があり使い勝手はいまひとつです。それに比べると、一箇所に設定すればすべてに反映されるヘッダーは何倍も楽ですね。ぜひお試しください。

 ところで、両面印刷で、右ページは右に、左ページには左に入れたいことがあ
るでしょう。その際はまず、[ファイル]?[ページ設定]をクリックした後、[その他]のタブをクリックすると、そこにヘッダーとフッターの[奇数/偶数ページ別設定]という場所があるのでそこをチェックします。すると、先ほどまでヘッダーと共通だった画面が偶数ページのヘッダーと奇数ページのヘッダーに表記が変わ
っており、ページ番号の位置をそれぞれ変更できることが確認できるはずです。
 ちなみに、ページ設定で余白タブにある印刷形式を見開きページにすると、余白も内側と外側として設定可能になります。綴じ代が大きくなりそうな場合は設定してみてください。

 最後に、もうひとつ。よくある質問として、表紙と目次はページ番号を入れたくない・途中から番号を変えたいなどの要望に対応する方法です。
 これには、セクションというものを利用します。セクションとは、文節という日本語ですが、書式の区切りだと思ってください。セクションの区切り方は、[挿入]-[改ページ]のところにあります。これでページ番号の、挿入したくない場所の最後のページに区切りを入れてください。こうするとセクションごとに別の設定ができるようになります。セクションでは、さらにページ設定も個別に出来ますので、あるセクションだけ、A4縦でなく、A3横などの設定もできます。最初はページ番号のためにつかうことが多いと思いますが、ページ設定を混在できるとさらに便利になります。

  セクションのポイントは、独立したページ設定が可能であることです。A4の文章の中にA3ページを入れるのはもちろんのこと、余白や行数、文字数が異なるページを挿入したいときも活躍します。同じ文章の中で違う書式が出てくるのはあまり望ましいことではありませんが、段組や図などのレイアウトをくずさずに取り込む場合にはとても有効です。用紙サイズを変えるケースに比べると使用頻度は少ないでしょうが、覚えておけば、意外なときに役立つと思います。