ちょっと便利なワード操作(その5)

  今日は、スタイルについて述べます。スタイルとは、文字装飾や文字サイズ、罫線(文字囲み)などをひとつのグループとして登録し、段落単位でこの設定を適用できる仕組みです。使用頻度・認知度が低い機能なのですが、私個人としてはかなり重要だと考えています。

 「そんなの文字装飾を個別にやればいいじゃん」といわれてしまいそうですが、スタイルの変更は一括で後からでも出来ますが、個別の文字装飾は、簡単に出来ません。例えば、見出しをすべて斜体の太字にしたい場合、個別設定では一つ一つ修正しなければなりませんが、共通の見出しスタイルを設定しておけば、そのスタイル内容を変更するだけで自動的に反映されます。

 これだけでも便利だと思うのですが、私がスタイルを使う最大の理由は別にあります。それが、PDFを作成するときのしおりの自動作成機能と目次作成機能です。このスタイル機能を使ってワードで文書を作っておくと、PDF作成時にしおりを作ってくれるのです。ここで言うしおりとは、PDF内のリンクのようなもので、少し長い文章を作る場合には非常に便利なものです。
 推奨レベルではありますが、電子納品の際にも、しおりを作成するように書かれています。これを手動でつくると、施工計画書のように長文のものではかなり手間がかかります。

 同様に、目次も作成できます。目次は、スタイルを設定していれば、[挿入]?[参照]?[索引と目次]というメニューで簡単に作成(ページ番号付き)できます。この目次は、フィールドコードという特殊な文字(ページ番号も実はこれです)で構成されており、ページの増減に際しても、目次の上で右クリックしてフィールドの更新を選択すると、たちどころに修正されます。もちろん、各見出しのタイトルも更新対象ですので、見出しと目次の不一致はありません。

 「エクセルやCADソフトでつくったものを挿入するとページ変わるけど、どうするの?」という疑問があるかもしれません。
 私の場合、挿入するものが少なければ、挿入したい場所に白紙ページを挿入した後にそのページだけ差し替えるという方法をとっています。それなりに手間ですが、ワード主体の報告書や計画書なら、対応可能だと思います。

 そのほかにも、スタイルを章番号と結びつける(具体的には、スタイル内の段落番号の設定でアウトラインを選ぶ)と、段落の追加削除で自動的に章番号が変更されます。これも長文作成には欠かせない機能です。

 スタイルは、長文向きの機能ではありますが、短文でも同じ書式を違う箇所で使う場合には有効です。慣れてくれば、社内用テンプレートをつくり、社内全体で統一的な計画書や提案書など作成できるようにすると便利です。(ここまでしているところはあまり聞きませんが・・)まずは、簡単な報告書でお試しください。