今回もネット戦略に関するお話をします。4Pの後半になります。
前回は4Pである
Product(製品・サービス)
Price(価格)
Place(流通)
Promotion(販促)
のうち、ProductとPriceについてお話ししました。今回はPlaceについてお話しします。
(3) Place(流通)
一般的な戦略だと売る場所、売り方に相当するのがこの流通です。建設業の場合は、基本的にはお客様に店舗まで来てもらい打合せするか、こちらが出向くかして内容を決めていきます。しかも商品は住器販売ではない限り、お客様の所有している土地か建物のある場所にあったものを用意する必要があります。いわゆるカスタマイズもしくはオーダーメイド商品となります。キッチンだけといった部分的なリフォームでも周辺の壁紙や床といった部分を触るとなると予算や要望に応じた内容にカスタマイズする必要があります。
一般的にはカスタマイズは既存商品を部分的にお客様仕様に変更することで、オーダーメイドは一から商品を作り上げることといわれていますがセミオーダーメイドはほぼカスタマイズに近いことから定義はあいまいなようです。
いずれにしても、既存にある商品を販売して終わりということがないため、お客様との打合せは複数回にわたります。また、その工事の規模によっては様々な法的手続きが必要だったり、金融機関との手続きが必要だったりしますので、手順は結構複雑です。
そのためにどのような手順をお客様にとっていただく必要があるのかまとめておくことが大切です。工事内容によってパターンが変わると思います。必要に応じて複数のパターンを書き出してまとめておいてください。公式サイトはもちろん、パンフレットやチラシ等の販促資料としても利用できます。
ネット戦略として訪問を軸にするのか、来店を軸にするのかもある程度決めておく必要があります。訪問なら外回りのできる営業担当が必要ですし、来店ならショールームや打合せ場所が必要ですし説明できるスタッフも必要です。戦略では方針レベルでいいですが手順と合わせて訪問と来店の比率を考えてください。
以前もお話ししましたがお問合せも重要です。メール・電話といった手段で営業時間中に対応するのはもちろん、自動応答メールや留守番電話によって機械的対応を取りつつ、後日フォローを入れる業務的な仕組みも考えておく必要があります。
また、自社に来ていただくのであれば。公共交通機関での来店なら最寄り駅とそこからの徒歩で目印になる建物やお勧めの道、自家用車で来店なら一方通行などの交通規制等の留意点や駐車場の台数などもまとめておき、必要に応じてイラストや実際の写真などの作成も検討しましょう。
4PでのPlace(流通)は4CでのConvenience(利便性)に当たります。顧客の利便性向上を考えると上記のような内容は書き出せると思います。
もちろん、ネット戦略ですので、あまり詳細な内容まで記載する必要はありません。電話・メールアドレス、営業時間、地図といった項目を羅列するだけでもいいです。
Placeは重要ですが、なかなか建設業では意識できていない点だと思います。これを機に考えてみてください。