今回は、皆さんが情報セキュリティで一番気になるところのパソ
コンのセキュリティ対策についてお話します。
1.ウイルス対策ソフト
多くの方は、セキュリティ対策として、ウイルス対策ソフトを導
入していると思います。もしかすると、Windowsセキュリティという
Windows標準ソフトだけで対応している方もいるかもしれません。
基本機能としては、Windowsセキュリティは優秀ですが、市販ソフ
トのほうが多機能な場合が多いので、可能であれば市販ソフトを導
入することをお勧めします。なお、市販ソフトを導入した時点で、
Windowsセキュリティはオフになり、機能重複は起きません。
2.基本ソフト・一般ソフト・ドライバーのアップデート
さて、セキュリティ対策は対策ソフト導入だけでいいかというと
残念ながら、それだけではダメです。基本ソフトや利用しているソ
フトのアップデートを行う必要があります。基本ソフトは自動更新
の場合が多いので問題ないですが、利用している一般ソフトは手動
になっている場合もあります。定期的にソフトのメニュー内にある
更新ボタンを押すことをお勧めします。
また、デバイスドライバと言われる周辺機器の接続ソフトのアッ
プデートも確実に行いましょう。これらも専用ソフトで自動アップ
デートしてくれるのですが、中には導入時にめんどくさいから入れ
てないケースもあります。公式サイトでドライバソフトは配布され
ているので、できれば1ヶ月に1回ぐらいは覗いてみましょう。
3.パスワード(ログイン、ネットワーク機器)
次に、きちんと行ってほしいのはログインパスワードです。以前
に比べて、定期的に更新する必要性は減ってきているといわれてい
ますが、それはあくまでも、複雑なパスワードを設定したときだけ
です。桁数が少なく、推定しやすいパスワードは望ましくないです
し、更新しても見破れやすいです。理想は15桁以上で、英字(大文
字、小文字の混在)と数字、記号を混ぜたものです。もしくは指紋
認証や顔認証等の生体認証を利用することもありです。
パスワードはこれ以外にネットワーク環境におけるルーターや共
有サーバーも同様です。初期パスワードが簡易なものであれば、複
雑なものに変更することをお勧めします。これだけで安全性はだい
ぶ高まると思います。
4.バックアップ
そうはいっても、あの手この手で悪い人は侵入を試みます。なの
で、転ばぬ先の杖として、定期的なバックアップは行いましょう。
ネットワーク環境でブラウザを使ったWebサービスを利用すると
か、自社開発ソフト等基幹システムにデータを入力するような端末
だったり、たくさんファイルを作るような作業をしないパソコンで
あれば、Windows標準のOneDriveの機能にあるバックアップ機能を利
用しましょう。
デスクトップとドキュメントフォルダ、写真フォルダを自動的に
バックアップすることができます。普通の人はこの3つが重要なの
でとても助かりますが、注意事項が2つあります。
一つは無料でバックアップできる容量は5GBまでです。ちょっ
と前のUSBメモリ1つ分ぐらいですね。簡単なエクセルやワード
のファイルを作って保存する分には十分ですが、大きなデータが入
ったファイルや動画等を保存するとすぐに容量はいっぱいになりま
す。容量を定期的に確認し、不要なファイルを削除するか利用頻度
の低いファイルはバックアップをとって別フォルダに保存しましょ
う。
もう一つが複数のパソコンで同期をとる場合です。事務所のパソ
コンで作業して、現場や工場でネットワーク環境があれば、自動で
同期してくれるので、使い慣れるととても便利なのですが、間違っ
て上書きしたり、同期が不要なファイル(自社開発ソフトのデータ)
まで同期して、ファイルを壊したりといったことがあります。
同期の場合は、一方をメインで実体ファイルをおく、一方をサブ
として、ファイルオンデマンド(クラウド上にあって、必要に応じ
てダウンロードする)にすることや同期が不要なファイルをバック
アップ対象フォルダから外すといった対策を行いましょう。
セキュリティソフト導入、ソフトのアップデート設定、パスワー
ドの見直し、バックアップ設定がパソコン側の基本対策です。でき
ていないと心当たりのある方はすぐに対策を実施しましょう。