現場・外出時でのインターネット(その2)

前回に引き続き、現場・外出時でのインターネットについて、お話します。

前回は遠隔臨場という『ウェアラブルカメラ等による映像と音声の双方向通信を使用して「段階確認」、「材料確認」と「立会」を行うもの』の説明と必要とされる仕様からある程度高速なインターネット接続環境を整える必要があることをお話ししました。今回はそのあたりをもう少し詳しくお話しします。

まずは通信量ですが、これは利用するITツールやビデオ通話アプリによって異なります。ビデオの圧縮率や解像度の自動調整によるもので異なるのですが、目安としては10分で100から300MBぐらいだそうです。ちなみに動画閲覧の場合はフルHDで10分350MBぐらいだそうです。

つまり、仮に月3GBという契約をすると通信量次第では1ヶ月に2時間程度の利用になるということです。(専用で使うとして)立会を効率よく行って30分で納めれば月に4回できます。大きな現場でなければ十分かもしれませんが、社内でのリモート会議などに使うとなると急に心もとない時間です。

できれば、リモート会議を含めて、ビデオ通話を多用するのであれば、通信量無制限のサービスに加入して、無線LAN等による共有をすることをお勧めします。逆に立会以外利用しないのであれば、少なめの通信量でも対応は可能です。ただし、普段使い(メールやWeb閲覧、ネットアプリ利用)でどれくらい利用しているかを確認のうえで、それと別にビデオ通話用の通信量を確保するようにしてください。なお、通信量については、実際に利用したいアプリを10分程度利用してみて、スマホのモバイル通信の利用状況で確かめてみてください。(確認後、利用して、また確認で差を計算)

通信量が少ない条件で利用する場合は格安SIMと呼ばれる携帯電話会社以外が提供しているサービスを検討してみましょう。データ通信のみという選択ができ、月3GBで1000円前後なので、かなりお得です。6GBでも1500円なので、このどちらかであればそこそこの規模の現場でも対応できるのではないでしょうか。

格安SIMはSIMフリースマホかモバイルルーター、SIM対応タブレットのいずれかに内蔵して使います。一人現場でずっと使うなら、SIMフリースマホ、複数人で使う現場ならモバイルルーター、たまにしか利用しないが、できれば1つで通信ができて、見やすいほうがいいのであればSIM対応タブレットがお勧めです。ただし、タブレットの場合は古くて安いものだと内蔵カメラの解像度が低くてフルHDに対応できないこともあるので、仕様をよく確認してください。

いずれの場合でもある程度の頻度で利用するのであれば、普段使いのものと分けたほうが望ましいです。理由は普段使いのものと共有すると知らず知らずのうちに通信量をつかっい切ってしまうこととバッテリーのもちが悪く、使いたいときに使えなくなるということです。特にビデオ通話はバッテリーを多く消費するので、会議や立会の前にはしっかり充電しておくようにしてください。

なお、2021年3月以降になると大手の携帯電話会社からも、3000円で20GB利用できるプランが提供されます。環境的にはビデオ通話のやりやすい状況になってくるはありがたいですね。どうしても2台持ちはめんどくさいという人は3月以降に新プランでの契約をするのもアリだと思います。この場合はバッテリーのことを考えるとモバイルバッテリーのような予備のバッテリーを準備しておくことをお勧めします。

モバイルバッテリーで丸々1回分の充電量だと5000mAhの容量で対応可能です。2000円弱で100gぐらいの重さなので、ポケットに入れておいてもそんなに負担にはならないと思います。ちなみに100均等で安いモバイルルーターが売られていますが充電スピードが遅いのであまりお勧めしません。

いろいろなパターンを紹介しましたが、まずは現状の環境で通信量を把握して後で、今後の利用状況を踏まえて、プランと機器の選定を行ってください。

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