ホームページの役割

 前回のWindows98 については、各方面からいろいろな話を聞くことが出来ました。前回も述べましたが「仕事で使っているパソコンがWindows98 でどうしたらいいのか困っている」、逆にサポートする立場として「Windows98 をはずす時期はいつ頃にすればいいのだろうか」、また、「個人で持っているパソコンを何とかしたいがいい知恵はないだろうか」等です。
 WindowsVista(ビスタ)が来年1月ごろ発売になるので、そこがひとつのきっかけになると思います。サポート契約更新や新規購入等も、来年の1月を目安にご検討されることをお勧めします。(ソフトの購入は春ごろが目安になると思います。動作保障に時間がかかるためです)

 さて、今回はホームページの役割についてです。最近は、中小建設業もホー
ムページを持つことが増えています。しかし、目的が見えない、役割を意識していないものも少なくありません。また、それに見合った金額を投資していないもの、逆に投資しすぎと思えるものもあります。そこで、ホームページの役割と費用についてお話したいと思います。

 ホームページの役割は大きく3段階に分かれます。目的を営業方面に限って考えると

 1.名刺
 2.パンフレット
 3.営業マン

です。それぞれの段階や役割に応じ、ホームページにもたせる情報や機能、かかる金額も変わります。ここをきちんと理解したうえでホームページ作成を行わねば、思ったような効果は出ません。

1.名刺(0円?月1000円)
 これは、1枚のページをインターネット上に掲載するだけです。情報としては、名刺に載っているものと同じです。会社名、住所、電話番号、代表者氏名、担当者氏名があればOKです。地図と会社写真があれば、更によいでしょう。
 会社の名前をどこかしらで知った顧客が、住所や担当者氏名、連絡先を知るためにインターネットを検索した際に表示されることが目的です。会社名が知れていることが前提ですから、検索対策もあまり必要ないでしょうし、ドメイン(インターネット上の住所 例:mint-s.jp )を取得する必要もありません。プロバイダーで提供される無料サイトを利用すればよいでしょう。「そんなことしなくても名刺はたくさん配っているよ」と営業の方はおっしゃるかもしれませんが、談合等で公
共機関での名刺配布は激減しました。民間でも、ホームページがあるかどうかを確認する担当者は少なくありません。名刺と割り切るのであれば、無料ホームページサイトでもできることですから、まだの会社はぜひ、はじめてください。

2.パンフレット(月1000円?2000円)
 名刺に営業内容や工事実績、会社概要を掲載する場合です。つまり、インターネット上で会社案内のパンフレットを掲載するのと同じです。「そんなの紙のパンフレットで十分」という方もいらっしゃるでしょうが、紙のパンフレットと違うのは、内容を更新する費用が非常に少なく 済むことです。また、インターネットを検索して自ら見にやってくる人があります。ただ、見に来てもらうためには、会社名だけでなく、商品名(工法名)や実 績において検索されやすいキーワードを明確に記述しておくことが大切です。また、パンフレットですので、写真もそれなりに掲載するのが望ましいですが、写 真が多すぎると、表示に時間
がかかって嫌われますから、注意が必要です。
 この段階でのドメイン取得は、可能であればすすめる程度です。ドメインを取得していると、問い合わせ先などで会社名に近いものを使えますから印象がよく なるでしょうが、プロバイダーのメールアドレスでも問題はありません。ドメインは年間4000円から7000円程度です。独自ドメインを使えるレンタルサーバーは月1000円ぐらいで入手できますので、月2000円ほどで、そこそこのページが作成可能です。
 ただし、自社でホームページの内容作成をしないのであれば、制作会社に頼む必要があり、5万円?10万円ぐらいの予算が必要かもしれません。パンフレットを外注することを考えると、同じかなと思います。

3.営業マン(月3000円?)
 この段階に来ると、パンフレットだけでなく、簡易な見積機能、もしくは作業手順書、工法技術計算書、工法Q&Aなどの提案機能などを掲載します。営業マンとしてホームページを位置づけるならば、SEO(検索されやすいようにする)対策も大切ですが、何よりも営業マンとして機能するホームページを作る必要があります。多くのページでは、上記のパンフレットの状態でもって営業力強化を期待していますが、残念ながら期待に添えない結果になっていると思われます。
 やはり、人間の営業マン同様、ITの営業マンもそれなりの顧客メリットを提供できなければ、これからのインターネット社会では難しいでしょう。いつも古い情報では、当然営業マン失格です。ホームページの更新は3ヶ月に一度ぐらいは行うようにします。受注した工事、竣工した工事の状況がいつまでも変わらないのでは、会社の信頼にもかかわります。戸建て住宅が対象であれば、坪単価などだけでなく利用できる融資制度、支払いシュミレーションなどの機能も営業マンとしては必要かもしれません。
 これらを社内だけで作るのは簡単ではありません。制作会社へ依頼するとそれなりの費用がかかりますが、営業マンを一人新たに雇うことを考えるとそれほど高くはありません。営業マンが他の会社名では恥ずかしいですから、ドメインはぜひ取得しま しょう。また、各機能を実現するためには、レンタルサーバーにCGIなどのプログラム機能やデータベースが必要ですから、月々の費用もあがり ます。

 大きく3段階に分けて、ホームページの役割を説明しました。これ以外にも、事業外(社会貢献としてなど)目的や社員向けなど、役割はさまざまです。
 ホームページを作成している方もそうでない方も、自社のホームページをどうしたいのか考え、それに見合った費用をかけてください。上記で説明しましたが、名刺を作る費用、パンフレットを作る費用、営業マンを雇う費用を考えれば、ホームページは安価なものだと思います。大切なのは、その役割と段階です。役割を明確にし段階を踏むことで、ITの効果を実感できます。