建設現場において、携帯電話はかかせませんが、まだまだ通話料金が高いです。長くなる内容の場合は、改めて固定電話からかけなおすかメール等の別媒体で送る、最後は相手のところに訪問して顔と顔をつき合わせて話すことになるのではないでしょうか。
近くならともかく、遠隔地の人とやりとりするのは大変です。固定電話も、一昔前に比べればさまざまな低価格なサービスが出ていますが、未活用であることも少なくないようです。通信費に頭を悩ましている経理関係者も多いでしょう。
今回ご紹介するのは、IP電話サービスです。このIP電話というのも、解釈によっていろいろな種類がありますので、利用者の混乱を招いているようです。
まず、最近の主流になっているのが従来の電話番号のまま使えるIP電話です。これは、通信回線の一部にIP網を使うことで安価にする方法です。電話番号が変わらないので相手に変更を知らせる必要がありません。また、緊急番号
(110, 119)なども使える場合が多いので、安心して移行できるでしょう。もちろん、遠距離、近距離とも通常の固定電話より安くなりますので、通話料金削減が可能です。
次に、050から始まる電話番号をもつタイプです。これは、通信回線全体にIP網を使って無料通話を実現します。番号は変わりますが、無料通話ができますから、電話をかける頻度の高い特定の人(支店?本社間、支店?現場間)には非常に有効です。加入する通信業者に制約がありますが、企業内で統一的に加入すれば、かなりのコスト削減になるでしょう。
最後にご紹介するのが、ソフトウェア上で実現するIP電話です。ソフトフォンとも呼ばれ、パソコンに専用ソフトを導入してマイクとスピーカーを用いて行います。ソフトはほとんどの場合無料で、マイクとスピーカーを用意すれば準備完了です。(パソコンに音源がない場合は必要になりますが、最近のパソコンにはほぼすべて内蔵されています。)マイク・ヘッドフォン一体型のものは千円以下で売っていますので、それを購入するとよいかもしれません。
このソフトフォンタイプのメリットは、パソコンとインターネット環境があればすぐにでも始められることです。手続きもネット上からできますから、マイク・スピーカーがある環境でしたら10分後には電話できる状態になります。また、音声品質も昔に比べてずいぶんよくなりました。企業内だけでなく、協力業者間でも十分に使えます。このソフトフォンの代表格が
Skype(http://www.skype.com/intl/ja/)
です。このソフトは、ソフト間で無料通話が実現できるだけでなく、このソフトから一般電話に通話することも可能です(ただし有料)。また、ビデオ電話も可能です。単身赴任の方などに特におすすめしますが、別ソフトと組み合わせれば、主任会議や安全会議などでも忙しい方が集まらずにすみ、移動コストの削減はもちろん、現場を離れる必要もありませんから、間接的な安全性向上にも寄与します。複数メンバーでのビデオ通話は、それなりの回線品質・速度を必要とすることもありますが、導入する価値は十分にあると考えます。
最初は、利用に抵抗があるかもしれません。まずは仲のよい同僚間で始めるなどし、それから社内に少しずつ仲間を増やしていくパターンがよいかもしれません。「パソコンで会話しているなんて遊んでいるみたいだ」という方もおいででしょうが、仲間が増えて会議を行うようになり、効率化が図れてくれば、そんな非難も消えるでしょう。実際、大企業の中にはソフトフォンで統一した会社もあります。会議自体を変えていく必要もありますが、IP電話(特にIPテレビ電話)を使うことは一石を投じることができると思います。ぜひ、ご検討ください。