会社でのスマホ利活用(その17)

前回に引き続き、会社でのスマホの利活用についてお話します。

前回は、測量業務についてお話しましたが、今回は現場の業務日報についてお話します。

現場の業務日報と言っても、現場の規模感や担当者の役割によって記載内容が大きく変わります。

業務日報の入力にあったIT機器を選ぶ

例えば、複数月にわたる工事現場で、その現場監督であれば、1日中、その現場にいるので、現場終了後、パソコンを利用して1日の業務内容を記載するといったことが可能です。もちろん、スマホでもいいのですが、情報量が多い場合はパソコンの方が負担感が少ないです。

ところが、その工事現場に入る協力業者であれば、業務日報は限られた時間の記録で単純な作業になる可能性があります。セキュリティ対策もかねて、現場での入退記録を工事現場側がとっているところもあるので、出面管理であれば、記録をとる必要もない場合もあります。(実際は作業内容を簡易に記録した協力業者企業側の日報は必要)

逆にリフォームや機器取付のような短時間で、1日に複数件の現場を担当する場合はスマホでの記録はとても便利です。一昔前なら現場から事務所に戻って、今日の作業を思い出しながらパソコンや手書きで業務日報を記載しているところですが、スマホであれば、入退記録をその場で記載できますし、文章だけでなく、写真も残すことが可能です。使わない手はないと思います。

専用アプリが便利

専用の業務日報アプリを使うのが理想です。簡易な機能でかつ少人数であれば、無料のアプリもあるので、試行的に使いたい企業でもすぐに利用できます。

本格的に導入したい企業でも、まずは簡易な機能のものを利用して、現場での利用状況、使い勝手を確かめてから本格的な機能があるアプリを導入するというステップをふんだほうがいい場合もあります。

特に現場でスマホを操作するのは、手が汚れていて操作がしづらい作業多い場合やそもそも、スマホの持込に制限がある現場もあるので、きちんと利用環境を確認するか上記のような簡易なアプリで試行することから始めましょう。

ビジネスチャットアプリも有効

1日に複数現場にいくような業種の場合、作業内容はほぼ決まっていて、行く現場もわかっているので、とりあえず、どの現場でどれくらいの作業時間がかかっているかだけでも知りたいといったレベルの場合は、日報アプリだとかえって手間がかかるかもしれません。

このような場合なら、ビジネスチャットアプリを利用して、現場入場時と退出時に一言メッセージを入れてもらうだけでも状況は把握することができます。チャットの記録をテキスト形式で保存することも可能な場合もあるので、テキストの加工は必要になりますが、集計等にも利用できます。

また、ビジネスチャットアプリなら写真添付も簡単にできるので現場の進捗具合も合わせて確認したいといったことも可能です。業務内容を詳細に記載するのではなく、時間や状況だけ把握する場合はビジネスチャットアプリのほうが便利かもしれません。

業務日報の記録を労務費原価のベースに利用したいという場合もあります。最初にお話した1日1現場であれば、日報を集計できるような形式でオンラインストレージの共有フォルダに保存してもらい、一括で拾えるようにすればいいですが、1日に複数現場行く場合だと1日の時間を複数現場に分ける必要があります。この場合の問題点は現場間の移動時間をどの現場に割り振るかです。

対応方法としては現場単位で移動時間の合計を案分するとか、共通経費として別途見るという方法がありますが、どちらかの現場に込みで見るという方法もあります。

この方法だと最初の現場だけ開始時間と終了時間を残してもらい、あとの現場は終了時間だけ記録するという方法をとります。こうすると、最初の現場から次の現場までの移動時間も次の現場の時間としてみなせますし、入力負担も減らせます。

最初の現場の開始時間が固定であれば、すべての現場で終了時間といった方法でもOKです。いずれにしても目的を明確にして、必要最小限の情報入力を心がけることが成功のポイントだと思います。

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