今回はパワーポイントならではの操作ともいえる、アニメーションの話です。紙芝居的な使い方からパソコンならではの使い方へのステップアップとして、アニメーションはかかせません。しかし、十分に設定できていなかったり、多用しすぎていたり。使いこなすにはそれなりの練習が必要です。
アニメーションの設定箇所は、オートシェイプ、テキスト、スライドの3つに分かれます。それぞれの特徴をしっかりつかんでやっていきましょう。
まずは、オートシェイプです。3つの中で一番良く使われる操作でしょう。ただ、多用しすぎて発表者の自己満足に終わるようなケースも見られます。
様々なアニメーションがありますが、1つのスライドに3つ以上異なるアニメーションをするのは止めたほうがよいでしょう。アニメーションで複数の効果を使うと、見る側に内容を伝えにくくなってしまいます。もちろん、イラストに動きを与える軌跡や、表示したものを消す終了アニメーションなどは、意外な効果を生み出すことがあるのでおすすめですが、これも多用は禁物です。
ところで、同時表示はグループ化して表示するのが普通ですが、個々にアニメーションを設定した後、開始タイミングを同時にすることでも実現できます。しかも、個々のアニメーション設定を変えることで、グループ化ではできない動きが可能です(スライドインで右からと左からとする等)。お試しください。
次にテキストです。テキストは、あまり動きの激しい効果は使わないほうがいいと思いますが、詳細設定で印象を変えることは可能です。テキストに使いたい効果を設定した後で、その設定ボックスを右クリックするとメニューが出てきます。ここで[効果のオプション]を選択すると、細やかな設定ができるメニューが出ます。
テキストでのポイントは、テキストアニメーションのグループテキスト設定です。通常は第1レベルの段落までとなっていますが、レベルを変えると説明タイミングに合わせた表示が可能です。画面資料を配布している場合はあまり意味がありませんが、画面だけで説明する場合には、見る側に先読みされないようにして、会話と画面に集中させる効果が期待できます。(これもやりすぎには注意してください。)このタイミングに関しても、細やかな設定はできますが、自動再生でスライドを見せる程度の使用にとどめましょう。テキストへのアニメーション効果は、できれば、ファイル全体で1つか2つに統一することをお勧めします。
開始アニメーションを使わず、強調アニメーションで一つ一つに視線をもっていく方法もあります。全体が5つあって、まず一つ目はというような流れで、5つを先に表示したほうが全体と個々の関係が分かりやすい場合もあります。ぜひお試しください。
最後はスライドです。スライドそのものにアニメーション効果を与えることは、意外とやらない場合が多いです。もちろん、スライド内でアニメーション効果を使っているのならやらないほうがいいと思いますが、スライド全体に写真を貼り付けている場合や、スライド全体で施工前・施工後のようなイラストを作っている場合には効果があります。ひとつのスライドで変化を表現するのか、複数のスライドで変化を表現するのか、どちらがわかりやすいかはこれもケースバイケースですね。いろいろお試しください。
どのアニメーションを設定する場合にも、スライドを印刷配布する時のことまで考えるようにします。特にテキストなどにオートシェイプを重ねて表現すると、印刷時にもとのテキストが隠れて見えなくなる失敗をすることがあります。その場合は、非表示スライドとして印刷用スライドを別途用意しておき、印刷時には非表示、表示を切り替えてから、表示のみを印刷するなどのテクニックを利用するとよいでしょう。
アニメーションは上手に使えば、パワーポイントの最大の武器になります。上記の注意事項を意識しながら積極的に使ってみてください。